外観のあり方を考えよう

住まいの外観は、周りの街並みに影響を与えるもので、いままで何もなかった空間に、大きな立体が出現した場合周りに与えるインパクトは計り知れないものがあります。

それ故に住まいの設計にとって外観デザインは、とても重要な要素です。

 

家は街並みの一部

ある地域に住まいを構えようとした時、周りの景観が城下町の雰囲気が漂う街並みだったので、街並みにあった建物を建てる事が望ましいでしょう。

たとえば、自分が住んでいる街をじっくりと見て歩いた場合、一軒の住宅が周囲の景観を壊してしまっているといったことがよくあります。

落ち着いた和風の趣のある街並みに突然、一軒だけ洋風の住宅が現れたとき周りの景観より浮き上がった感じがします。

 

建築基準法や他の法律でも家に対する形や色については、特に何の規定も規則もありません。

しかし、周囲の環境にそぐわなければ、その地域の人に不快感を与えかねませんし、その土地(地域)や他の資産価値も下げてしまうということもあります。

 

 

欧州では、細かく外壁の色が指定され、個人がいくら望んでも勝手な色にすることができない国もあります。

しかし、日本ではそれほどの強制力のある規制はありませんが、日本という国は、個人の配慮が多分に求められている国と言えます。

 

風土にあったデザイン

現在の日本の住宅のデザインは、「アメリカン風」「北欧風」といったように、なんでもありというのが特徴です。

しかし、考えてみれば住宅のデザインというものは、その土地の独特の気候風土や精神文化の中で育まれ定着してきたものです。

 

 

世界には様々な人種・民族が住んでおり、様々な気候と風土があります。

その土地の自然環境と暮らしに合わせて造られた家は、形も材料も窓の大きさ・壁の厚さ・屋根の材料や形も材料もみな違っています。

 

人は、長い年月をかけて、その土地にふさわしい住まいを工夫し、それを伝統として受け継いで現在の建築になっていますので、この伝統を私たちは、後世に残していかなければいけないと思います。

 

現在の街並みは

我が国にも、風通しがよく、湿気に強い、木や土などの自然の素材をふんだんに使った伝統的な家があります。

 

古い街並みには、瓦屋根・深い軒・板塀や塗り壁など、同じ素材と同じデザインの家が並んでいます。

とくに意識をしなくても、また強制や強要をしなくても、皆が暗黙の了解のように街並みは統一されています。

 

しかし、現在の街並みを見てみると、そこには西洋の建築様式が入り、また、デザインや色・素材が入ることにより統一性が失われようとしております。

たとえば、異質なものどうしがぶつかり合うことにより、自然の統一はできなということです。

 

 

現在では、街並みとの統一感を意識しながら、色やデザインを意識して選ぶことが求められるようになってきました。

美しい街並みは、自分の家にとっても、大きな利益になり、心の満足につながることになります。

 

 

住まいのデザインは、独りよがりのものではなく、街並みを意識したデザインを考える必要があるのではないでしょうか。

つまり、周りの景色や建物に注意して、デザインを設計してもらうようにすることが、重要となります。

 

植樹も大切な景観

町の雰囲気を造っているのは、なにも建物だけではありません。

 

建物の周りに植えてある植木も、大切な街の雰囲気作りに貢献しているといえます。

住まいの外観には植栽は、欠かせないものとなっています。

しかしながら、現在は車社会といわれており、植栽や庭を造るスペースがあれば、駐車場を設けたいと言われる方が多くいます。

さらに、外構は建物の設計・施工とは別だ、という考え方も広く浸透しているのも原因と言えます。

 

 

しかし、家を建てる前の構想は、庭に木を植えて空いたスペースには、芝生をといったことを想像します。

建物だけがむき出しになって建っているときと比べて、植栽を施すことで建物に落ち着きが出て見栄えがよくなります。

 

たとえば、建売の2階建ての住宅でも、空いたスペースに木を植えることで、外観の美しい住まいに変身します。

 

 

植栽プランは、狭い場所でも、日当たりの悪い場所でも適する木があり、樹種も豊富にあります。

 

オープン外構の考え方

外観のデザインは、植栽プラント外構プランを一緒に考えるようにすることが望ましく、建物の平面プランが出来上がれば、植栽や駐車場も含めて、外観デザインを考える必要があります。

 

この外観デザインを考える上で、オープン外構もひとつのプランとして、考えるのもよいと言えます。

住宅街を歩いていてよく見かけるのが、プライバシーだけを考えて、道路と敷地の境界に視線を通さないような、背の高いブロック塀などで囲ってしまい、道路からの見た目が悪くなっている家があります。

また、一旦敷地内に入った侵入者が、外部から見えなくなりますので、防犯上もよくありません。

 

 

これに対して、低い垣根や植栽にあるいは、目を粗く組んだフェンスに蔦類を這わせたりすることにより、見た目も美しくなります。

道路を歩く人や、車からも季節の移り変わりを感じることができますし、見通しがよくなることにより、泥棒などの侵入者も入りにくく、隠れる場所もありませんので防犯面においても安全となります。

 

まとめ

外観プランは意外と後回しにされがちですが、周りの街並みに様々な表情を与えるものですし、ポツンと建物だけが建っているのも殺風景なものです。

 

建物の平面プランが出来上がれば、それと一緒に外構もプランニングすることが大切です。

 

建物が建った後に外構を考えるという方が多くいますが、施工期間や資金面などで、そのままになっている住宅をよく見かけ、街の雰囲気を壊していると感じることがあります。

 

 

植栽や駐車場などの外構は、建物の施工中に一緒に行うことで、費用も工事期間もコストを抑えることができる場合が多くあります。

 

従って、建物と外構は切り離さずに、一体のものとして考えていくことが重要です。

 

スポンサーリンク
おすすめの記事
スポンサーリンク