フェンスの選び方入門
2018年6月18日の大阪府北部地震によりブロック塀が崩壊し、小学生の女子生徒が犠牲になったニュースは全国ネットで報道されました。
その後ブロック塀が取り壊されフェンスや垣根、背の低いブロック塀に取り換えられる工事が行われています。
これにより一般のご家庭でもブロック塀からフェンスや垣根に変更される方も多くいます。
そこで道路や隣地との境界をフェンスにするか、垣根にするかいろいろと悩んでいる方も多いと思います。
住まいの外観デザインは住む人のセンスを問われることも多く、周辺の環境や景観への影響も少なくありませんが、現在の傾向としては垣根やブロック塀よりもフェンスが多く見られるますので、フェンスを選ぶ際に知っておくとよい知識を紹介します。
素材の種類と特徴
住宅に用いるフェンスの素材やデザインも豊富になっており、建物のデザインやガーデンデザインに合わせて選ぶことができるようになりました。
フェンスの素材には、アルミ形材・アルミ鋳物・アイアン・木製・木樹脂などがあります。
現在主流となっているのが、耐久性に優れており、価格も比較的手ごろなアルミ形材ですが、フェンスを連続させて設置する、あるいは塀とフェンス・垣根とフェンスといったような組み合わせでプランニングすることもできます。
*アルミ形材
アルミニウムは、水分・油分などによる錆や腐食に強く、また、耐久性に優れているため、フェンスの素材として、最も多く使われている素材です。
軽量で商品のバリエーションも豊富に揃っており、価格も安価なアルミ形材は、デザイン的にはシンプルなものが多くありますが、最近では高級感を出した商品もあります。
*アルミ鋳物
アルミ鋳物は、アルミ形材よりも重みがあり、デザイン性のある曲線を作り出せることができますので高級感のある製品が多くあります。
最近では輸入住宅が増えてきている関係で、このような住宅に似合うようなレリーフを施したデザインも豊富にあります。
最近の傾向としては、スッキリとしたシンプルなタイプが多く見られるようになりましたが、価格的には形材よりも高価なものが多いです。
*アイアン製(鉄製)
アイアン(鉄製)は、繊細なデザインと重厚感の質感が持ち味で、手作りのモノが多くあり、そのため素朴な温もりのあるモノは、ナチュラルな外観の家や輸入住宅によく合うフェンスだと言えます。
*木製
木製は、温かな肌触りの天然木を素材にしたもので、軽量で強く、加工しやすいというメリットを持っています。
しかし、水分を含んだり乾燥したりすると反りの原因となりますし、虫や菌に侵されやすいという欠点があります。
最近では、防腐処理や防水処理を施したものが多くあり、他の素材に負けない耐久性を持っているものも多くあります。
*木樹脂
ASS/ABS樹脂に木粉を混ぜて形成したもので、耐候性があり天然木のような質感を長く保つことができます。
また、メンテナンスも楽で庭の樹木や、ウッドデッキなどと調和しやすいアイテムといえます。
フェンスの役目を明確に
いろいろな素材があるフェンスですが、フェンスを選ぶ際には、フェンスを設ける目的や、何を優先するのかを明確にしておくことが大切です。
通りに面した往来の激しい道路沿いの住まいでしたら、プライバシーを重視しなくてはいけませんので、ある程度の高さが必要になり、目隠し機能のあるデザインを選ぶことが重要となります。
また、そこまで高いフェンスが必要なく、境界を明確にしつつ開放感のある雰囲気をつくりたいと方には、低めのタイプや桟の少ないもの、メッシュタイプなどがおすすめだと言えます。
さらに、防犯面を重視したいという方は、乗り越えにくい高さのもので、剣先状のデザインなど乗り越えにくい工夫を施したものが適していると言えます。
また、不審者が侵入しても隠れる場所を造らない、見通しのよい形状のものを選ぶことが、ポイントとなります。
デザインを重視した場合は
昨今の傾向を見ていると、住宅のデザインと同じように、シンプルでモダンなデザインが主流となっていると思います。
つまり、装飾的なものより、格子やメッシュなどのスッキリとしたデザインが好まれています。
シンプルなデザインは、洋風の外観・和風の外観のどちらも馴染みますので、取り入れやすいデザインと言えます。
また色合いとしては、シルバーやブラックが多く、最近では、木彫を取り入れナチュラルな雰囲気を醸し出してくれるモノも人気が出てきています。
通りに面した場合、プライバシーを確保したいものの、風や自然光まで遮りたくなくといったニーズが多くあります。
そこで最近では、通風や採光に配慮したタイプが多くあり、ルーバー部分に工夫を施して、風や自然光を取り入れてくれるタイプがあります。
外構デザインと合わすことが大切
フェンスを選び際に注意しなければいけないことは、門扉などとコーディネートすることが大切なのです。
しかし、多くの商品は、門扉とフェンスを組み合わせていますので、こういった商品を選べば失敗することはないと思います。
また、フェンスを連続して用いるあるいは塀と組み合わせたりすることで、雰囲気は大きく変わります。
さらには、建物自体や庭との調和も考えることが大切で、たとえば、窓や玄関ドアを一定の色で統一した場合、門扉やフェンスも同じ色に統一することで、まとまりのある感じがでて良いと言えます。
ただ、色に変化を持たせたいという方は、計画的に行わないとまとまりのない外観になってしまうことがありますので注意が必要です。
まとめ
外構を考える上で大切になってくるのがフェンスです。
フェンスを選ぶ際には、周りの環境はもちろんですが、住まいの雰囲気や庭・門扉・窓・玄関ドアといったものにも注意を払うことが大切です。
また色は出来る限り統一したほうがまとまりのある住まいになりますが、どうして何色か色を使いたい場合は、計画的に行わなければアンバランスな住まいとなってしまいますので、注意してください。