玄関土間リフォームの基礎知識

お客様が来られた時、すぐに目につくのが玄関です。

 

玄関は住まいの顔とも言われており、住まう人のセンスが感じ取られる場所です。

玄関は、家族が帰宅したとき、またお客様がいらしたときなど誰もがホッとする、温かみのある空間にしたいものです。

玄関まわりをプランニングしたとき、玄関ドアや下足箱・照明などはもちろんですが、土間部分の床の素材を何にするかもよってイメージが大きく変わります。

 

そこで土間の床材について調べていきましょう。

 

土間に使われる素材

土足で使用する玄関の土間部分を、三和土(たたき)と呼ばれており、最近ではどの素材を使ってもこう呼ばれることが多くなりました。

 

一般的に三和土とは、土やコンクリートで仕上げた床のことをいいますが、本来は、土に石灰や水などを混ぜて練ったものを塗り、地盤を固めるために叩いて仕上げたものを言うのです。

しかし、現在ではあまり見ることがなくなり、現在は、この三和土と呼ばれる部分に、タイルや石を貼り付けたものやコンクリート(セメント)で仕上げることが多くなりました。

 

 

どのような素材を選ぶにしろ、玄関の土間部分は、家の中と外をつなげる重要な場所ですので、素材としての耐久性や美しさは当然のことですが、掃除のしやすさ滑りにくさについても、忘れずに検討することが大切です。

 

 

玄関土間は室内で唯一土足を使用する場所ですので、外からの埃が入ってきますし、雨や雪の日には濡れてしまいますので、お手入れしやすい素材を選ぶことがポイントです。

また、濡れた靴でも滑りにくい素材を選ぶことも大切なポイントとなり、特にご高齢の方がいるご家庭では、特に注意が必要となります。

 

素材の種類とその特徴

玄関土間の素材には、タイルやコンクリート(セメント)・天然石がありますのでそれぞれの特徴を見ていきましょう。

 

・タイル

タイルは、柄や色・サイズ・価格のバリエーションが豊富で、どんなデザインの住宅でも取り入れられることのできる素材です。

陶器のようなデザインや石のような風合いのものなどもあります。

 

最近よく見かける洋風スタイルの住宅の玄関には、素焼きのテラコッタタイルを用いても似合うといえるでしょう。

 

タイルにはさまざまなサイズがありますが、一般的に10cm~15cm角のものが多く用いられており、斜めに貼るようにするあるいは、色やサイズの異なるタイプを組み合わせるなど、自分の好みでデザインを決めることができます。

このように、個性を生かせる玄関をつくることができますが、あまり個性的になるとその部分だけ浮いてしまいますので、住まい全体の雰囲気や内装の色・柄に合わせるようにするのがよいと言えます。

 

タイルのサイズを大きなモノにすることにより、玄関全体が豪華な雰囲気になるのですが、玄関スペースが狭い空間の場合は、その良さを生かすことができないことがありますので、よく検討するようにしてください。

 

 

磁器タイルは、吸水性がなく汚れに強いタイルですので、お手入れやメンテナンスがしやすいと言えますが、素焼きのテラコッタタイルなどは吸水性が高いですので、水などが染み込むとシミの原因になりますので注意が必要です。

また、磁器タイルやテラコッタタイルを貼り合わせて施工する際に、タイルとタイルの間に2㎜~3㎜程度の目地を開けて貼っていきますので、その目地部分に汚れが溜まりやすいですので、埃を取り除き、あまりにも汚れがひどい場合は雑巾で水拭きするようにしましょう。

 

・コンクリート(セメント)

セメント(モルタル)を用いた玄関仕上げは、表面を洗い出し、骨材を露出させて表面仕上げとする「洗い出し工法」と、金コテを用いて表面を平滑に仕上げる「コンクリート金コテ仕上げ工法」とがありますし、また、炭などを入れて色をつけた仕上げ方法などがあります。

 

さらに、好みに応じて化粧石やビー玉やガラスの破片など、これらを埋め込むなどといった仕上げ方法もあります。

 

セメント(モルタル)仕上げの場合、汚れがつきやすいですので、汚れがこびりつかないように、水洗いなどの掃除をこまめにすることが大切です。

 

・天然石

天然石で仕上げられた玄関は高級感があり見た目が豪華になりますし、上品な感じも受けます。

 

天然石の玄関で用いられる石ですが、御影石や大理石などが多く用いられます。

最近のマンションでは大理石がよく採用されていますが、天然石の御影石や大理石の場合、色や柄が統一できませんし、天然石は吸水性が高く、水分を含むとシミの原因になりますので、最近では人工大理石など色・柄が統一でき吸水性も低いことから採用されることが多くあります。

 

 

天然石にしても、人工大理石にしても酸を嫌う場合がありますので、雨水や泥水で玄関が汚れたときに洗剤を用いて洗う場合は、使用可能なのかどうかを確認することが大切です。

使うことができない洗剤を間違って使ってしまうと、表面を酸で侵してしまいシミなどになり、汚く見えてしまいますので注意してください。

 

まとめ

玄関の床材にはいろいろな素材がありますので、プランニングする際によく素材の特徴を検討し、メンテナンスやお手入れのしやすさなどを、よく調べて採用するようにしてください。

 

床材は、色やデザイン・貼り方(特にタイルや石の施工方法)によって、玄関空間の雰囲気が変わってきますし、周りの色や柄によっては浮いてしまうことがあります。

従って、玄関ポーチとの繋がりや、住まいの雰囲気・玄関ドア・下足箱などの色やデザインを考慮して選ぶことが重要です。

 

また、タイルや石を選ぶ際には、カタログなど印刷物ではなく、実際の色や柄を確かめることがポイントとなります。

 

印刷と実物では、色や柄が若干異なりますので、施工後に雰囲気が違うということもあり、必ず素材を確認することが大切です。

 

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