フローリング材の基礎知識
戸建て住宅やマンションなどの廊下や部屋の床によく使われているのが、フローリング仕上げです。
以前の住宅の床は、畳仕上げが主流でしたが、リフォームでフローリングにする方も多くいます。
そこでフローリング材について徹底的に調べていきましょう。
複合フローリングとは
よくフローリングと言いますが、フローリングにもさまざまなタイプがあります。
フローリングを大きく分けると、複合フローリングと単層フローリングがあり、一般的な住宅では、複合フローリングが主流となっています。
一般に使われている複合フローリングとは、基板となる合板の表面に薄く削った天然木の厚さは0.3㎜~1.0㎜程度が一般的で、高級なものになると単板の厚みが2.0㎜~3.0㎜となっています。
複合フローリングで最近よく使われている厚みですが、合板と単板と合わせて12㎜~15㎜のもので、高級なものは単板の厚みも厚く、溝も深くなっており木目が鮮やかで、ものによっては無垢のフローリングと区別がつかないものもあります。
単板など表面材の種類
合板に張る薄く削った天然木の単板の種類ですが、ナラ・サクラ・カバ・ブナなどですが、中にはタモを張ったものもあります。
一般的に複合フローリングの場合、天然木の木目を生かすためにウレタンクリアー塗装が施されており、自然の風合いに仕上げたものが人気となっています。
また、フローリングの幅も素材を感じさせるような幅広タイプが増えてきています。ちなみに通常の標準サイズは、一尺(約33㎝)となっています。
複合フローリングには、天然木の単板ではなく、樹脂化粧シートなど特殊なシートを張ったタイプのフローリングも増えてきています。
シートの種類としては、塩ビシートをはじめオレフィンシート・ダイノックシートなどがありますし、どのシートも木目調や石目調・単色などの印刷が施してあります。
色や柄は各メーカーとも豊富になっていますが、最近の流行としては、ナチュラルな淡色系や落ち着きのあるダークブラウンなどが注目されています。
複合フローリングの特徴
色々な種類がある複合フローリングの特徴ですが、無垢材に比べて、色味や機能・性能・価格帯のバリエーションが豊富で、施工もラクに行うことができます。
表面に張られている単板が薄くても、塗装等の加工によって強度が確保されており、また単板と合板の間に特殊な繊維を織り込むなどして、より強度を高めています。
フローリングと言えば、リビングや寝室・子供部屋というイメージがあります。
しかし最近では、耐水性能を高めたフローリングがあり、洗面室やトイレといった水回りでもフローリングを使うことができるようになりました。
複合フローリングの機能性
複合フローリングの機能性ですが、複合フローリングは、表面硬度の高い基板を用いる、あるいは表面に厚く滑らかな塗装を施しています。
また、木材繊維にプラスチックを充填し、硬化させる加工が施されており、傷や摩擦に強くリビングやダイニング・子供部屋などに用いることができます。
その上、表面硬度がありますので、キャスター付きの家具や椅子などを使用しても大丈夫となっていますし、車椅子に対応したものもあります。
従来のフローリングは、水分が苦手でしたが、最近の複合フローリングは、耐水性を持たせたものがあり、生活中の水はねや水拭きなどに耐えられるようになっていますし、洗剤などにもシミになりにくいという特徴がありますので、キッチンやサニタリーといった空間にも使うことができます。
表面塗装仕上げや特殊な硬化シート仕上げにより、ワックスの必要がなく、手入れを簡単に行うことができます。
さらに、複合フローリングに抗菌塗装を施すことで、細菌などの繁殖を抑える効果があり、子供部屋や寝室などにも適しています。
2階にフローリングを用いた場合、モノを落とした時など下階によく響くという弱点がありましたが、特殊なマットや緩衝材などを用いて遮音性能を高めたフローリングがありますので、安心して2階にも使うことができるようになりました。
このように、複合フローリングの性能も多種多様ですので、部屋の用途に合わせて、何に重点を置くのかを決めて素材を選ぶことがポイントとなります。
単層フローリングの良さ
一般的な住宅で使われている床材の多くは、複合フローリングですが、最近の自然派志向により、無垢材のフローリングが人気となっています。
無垢材の良さは、風合いや肌触りの良さもありますが、樹種によって多少異なりますが、空気を多く含んでいますので、断熱性や保温性・調湿作用が高く、湿気の多い季節は余分な湿気を吸収し、乾燥しがちな季節では排出するという働きがあります。
無垢材の種類と特徴
無垢材には大きく分類すると、広葉樹と針葉樹とがあります。
広葉樹の代表的な樹種には、オーク・ブナ・メイプル・チーク・ウォールナットなどがあり、中でもオーク(ナラ)がフローリング材に適しています。
オークは硬木で、木目も美しいのが特徴です。
針葉樹の代表的な樹種として、スギ・ヒノキ・赤松・パイン(間伐材)などで、木質は軽くて柔らかいという特性をもっており、歩行感や肌触りがよく、素朴な風合いが魅力的です。
また中でも、杉・桧は日本人にとって馴染みの深い木で、杉は塩分や腐食に対して強く、桧は水に強いという特性があります。
まとめ
複合あるいは単層フローリングには、表面の材質によって性能や質感が違ってきます。
そのため部屋の用途に合わせて素材を選ぶことが重要です。
また、手入れの方法についてもよく調べておくことも大切です。
特に無垢材は、素材や塗装の方法によって、メンテナンスが必要となりますし、傷などへの配慮も必要ですので、取り入れる際には十分な検討が必要となりますし、自然素材の特徴も理解しておくことが望ましいです。
いずれにしても、プランニングする際には、工務店あるいはリフォーム会社などの担当者とよく相談することが大切です。