建具の選び方
室内空間で重要になってくるのが、各空間の間仕切りに使う建具です。室内空間の使い方によって建具の選び方も変わってきますし、空間のデザインによっても変わってきます。
そこで、日常の生活や使い勝手を考慮した建具の選び方を考えていきましょう。
室内建具は部屋に合わせて
室内で用いるドアや扉はいろいろありますが、日常の生活を考慮して使い勝手や使用する場所にあった機能やデザインの建具を選ぶのが重要となってきますが、機能を持った建具とはどのようなものがあるのか、まず、防音性の高い防音ドアがあります。
防音ドアには、ピアノや歌などの音楽教室やリスニングが必要な英会話教室などの場合には、本格的な防音ドアを必要となりますし、単に、生活騒音が気にならない程度の遮音・防音効果のあるドアで充分効果を得ることができます。
防音ドアであっても、最近では、インテリア性の高いデザインがありますし、何も防音ドアは開き戸だけではなく引き戸タイプのものもあります。
最近、一般の戸建て住宅やマンションを、保育所にしている方が増えています。
在宅保育で小さいお子様を預かるご家庭では、防音ドアを設置することをおすすめします。
飼い主さんに嬉しいペットドア
近年のペットブームにより、室内で犬や猫を飼っているご家庭が増えています。
愛犬や愛猫はどうしても家の中を自由に動きたがり、その度にドアを開け閉めしなければいけません。
気候のよい時ならドアを開け放しておいていいのですが、夏場の冷房や冬場の暖房時などドアを閉めておきたいものです。
そこで、愛犬や愛猫が部屋を自由に行き来するためのペットドアがあり、かわいいワンちゃんやネコちゃんが出入りするたびに、ドアを開閉する行為から解放してくれます。
ただし、くぐり戸部分のロック機能やストッパーなどを必ず確認するようにして下さい。
半自動ドアの特徴
自動に閉まる半自動の引き戸クローザー付きのドアがあります。
このドアの特徴は、手を放すと内蔵されたクローザーが自動的に扉を閉めてくれます。
また、2枚の扉が連動して動くタイプもあります。
クローザードアですが、閉まる際にドアに指など挟めこまれないかと不安が残るという方も多いかと思います。
しかし、ドアが閉まる際に、静かにゆっくりと閉まる「ソフトクローズ機構」の付いているタイプを選べば安心で、車椅子を使っている方や体が不自由な方がおられるご家庭にお勧めです。
また、引き戸式ですので開口部も広く確保できますので、車椅子での移動や介護などを楽に行うことができます。
建具の開口部は広めに
建具をプランニングする前に考えたいのが有効開口幅です。
日常の生活の中で、住んでいる人の出入りだけでなく、引っ越しや買い物などで、大きな荷物、たとえば、大型家具や家電などを入れることを考える必要があります。
最近の家電製品は大型化していますし、子供が成長すれば、机や書庫も必要となってきます。
また、将来には車椅子で生活しなくてはならないということもありますし、ご高齢の親とも同居しなくてはならないということも頭においておかなければいけません。
そこで考え方として、大きな荷物や家具、家電の出し入れに便利な両開きや引き戸を選択するということや、家族にご高齢の方や小さなお子様がいるのであれば、開閉しやすく軽量タイプを選ぶことも視野に入れておきます。
また、上吊りの床面がフラットになる吊り式タイプであれば、車椅子も通りやすく、下レールで躓いて怪我をするという心配もありません。
リビングは明るい方がよい
家族や友人などが集まるリビングは、明るい方が良いという方が多いと思います。
そんな方には、採光が可能なデザインを選ぶことで開放感を持たせることができます。
また、子供部屋の場合でしたら、明かりがもれて気配が感じられることのできるタイプがお勧めです。
木とアルミのコラボ
一般的にドアなどの建具や間仕切りは木質素材が主で、大半の空間に違和感なく用いることができます。
しかし、もう少しインパクトが欲しい、あるいは個性的なデザインにしたいという方も少なからずいると思います。
そこで登場したのが木とアルミを融合させたもので、インテリア素材として注目されているアルミ材と従来の気質素材を組み合わせた、シンプルでモダンなデザインが特徴で、室内ドア・引き戸・間仕切り・収納ドアなど住まい一棟分を揃えることができます。
アルミの持つシャープさと、木質の持つ温もりが感じられます。
また、面材部分の色は、鏡面仕上げでホワイトなど6色ありますので、住まいの空間を色で変化を持たせるなど、いろいろなプランニングをすることができます。
また、面材部分をガラスや木目調のパネルにすることもできますので、よりモダンに落ち着きのあるシックな雰囲気に仕上げることができます。
まとめ
建具選びの基本ですが、空間の目的は何なのかをはっきりすることにより、それに合う建具を選ぶようにします。
室内建具は、間取りプランニングやインテリアコーディネートと大きく関係していますので、設計段階から早めに希望を伝えておくことが大切です。
建具を選ぶ際は、カタログだけでなく、ショールームや住宅展示場などで、素材感や使い勝手などを実際に確かめることが大切です。
室内建具は、使い勝手やデザインも大切ですが、住まいの換気経路としての役目も持っていますので、その点も考慮する必要があります。