キッチンの演出と料理の関係

キッチンのリフォームを考えた場合、最新の機能を備えたシステムキッチンが欲しくなるのが当然です。

そこで、システムキッチンの特徴とキッチン空間の演出の仕方を考えていきましょう。

 

システムキッチンの定義

キッチンと言えば殆どの方が、システムキッチンを思い浮かべると思います。

それほどシステムキッチンが主流となり普及してきたのですが、システムキッチンの定義って知っていますか。

 

システムキッチンの定義ですが、JIS(日本工業規格)では、システムキッチンを以下のように定義付けをしています。

 

その定義付けとは「調理作業に必要なキャビネット(フロアキャビネット・ウォールキャビネット・トールキャビネットなど)と機器(加熱調理器具・レンジフードなどの換気設備・冷蔵庫・食器洗い乾燥機など)を有機的に結合させたキッチン設備と規定しています。

 

少し話はそれますが、日本工業規格(JIS)って何かご存知ですか。

 

日本工業規格とは、工業標準化法により、主務大臣が定める、鉱工業品の種類・形状・寸法・構造などに関する規格です。

 

日本工業標準調査会が規格制定を行い、経済産業省が認定を行います。

 

システムキッチンの仕組み

JIS(日本工業規格)の定義にあるように、システムキッチンは色々なパーツの組み合わせで成り立っています。

 

そのパーツの一つがフロアキャビネットでこのキャビネットにも種類があり、シンク用・調理用・加熱器具用・コーナー用などがあります。

また、シンク用と調理用キャビネットの間や調理用と加熱器具用キャビネットの間に、食器洗い乾燥機が組み込まれます。

 

つまりシステムキッチンは、色々なパーツを自由に組み合わせることが出来るキッチンですので、オリジナルなキッチンを作ることも可能なのです。

 

最近のシステムキッチン事情

最近のシステムキッチンですが、ホームセンターや家具量販店、あるいは各メーカーのショールームに展示されているシステムキッチンは、簡易施工型システムキッチンなのです。

 

簡易施工型システムキッチンとは、あらかじめ規格化された寸法やレイアウト、メーカーが設定した設備機器の範囲から商品の選択を行います。

 

簡易施工型システムキッチンの特徴

簡易施工型システムキッチンの特徴ですが、規格化することにより、工場での生産がしやすくコスト面も抑えることができますので、部材型システムキッチンに比べ価格も手頃で、施工性も良いため施工期間や工事費なども抑えることが出来ます。

 

しかし、自由度においては規格化されていることから、キッチンの間口より寸法が短くなり隙間が空いてしまうこともありますし、設備機器においても多少の妥協も必要となりますので、部材型に比べ劣る点があるものの現在では簡易施工型が主流となっています。

 

システムキッチンの扉は引出式が主流

従来のシステムキッチンは、開き扉が主流でしたが、最近のシステムキッチンは引出式が主流となっています。

 

引出式の特徴として、キャビネット内の有効な空間をムダなく利用することが出来ます。

 

従来の扉式の場合、一つ物を置くとその上部が空間となり有効的な使い方が出来ませんが、引出しにすることによって、上部も蹴込み部分も有効活用することが出来ます。

つまり、引出しの数だけ収納スペースがあるということになります。

 

引出しのもう一つの特徴は、目線が垂直移動となりますので、安易に探すことが出来ます。

一方、扉式の場合は、目線が水平移動となり物と物とが重なり合っていれば、見落とす可能性があります。

 

引出しも従来のものと違い、スライドレールに油圧ダンパーが組み込まれており、閉めた時閉まる手前で油圧ダンパーによりゆっくりと閉まり、今までのような衝撃音がなくなり、引出しで指を挟むなどのことがなくなりました。

 

料理の味は味覚だけではない

高級なレストランの料理でも奥さんが作る料理も舌で味わう味覚だけでなく、視覚・聴覚・臭覚・触覚で味わうものです。

 

そのため、キッチンはもとより、ダイニングやリビングのインテリアも重要な要素となりますし、ダイニングキッチンの広さも関係しており、小さいテーブルよりも少し大きめのテーブルを置いた方が料理が美味しく見えることが多くあります。

 

このように人が料理を味わう場合、視覚が大きく影響してきます。

たとえば、内装の仕上げ材には、衛生面にも配慮が必要となってきます。

床材には汚れにくく、掃除もしやすいといった素材を選ばなければいけません。

 

また、壁のクロスは、ベージュ系やクリーム系の柔らかな色が勧めで、温かい雰囲気を出してくれますし、光を反射させる効果があり、部屋が明るい感じになり、料理も一層美味しく感じますので、部屋を明るく料理をより美味しく見せる照明を工夫する必要があります。

 

料理を美味しく見せる照明とは

ダイニングには、食事をより美味しく見せる照明が大切な役割をしています。

例えば、スーパーなどの食品売り場ですが、食品に間接的でなく直接光を当てるだけで新鮮で美味しく見え、購入して家に持ち帰り食べてみるとそうでもなかったという経験があると思います。

 

食事を美味しく見せる照明として、オレンジかかった白熱灯の明かりがお勧めで、食卓を明るく照らすペンダントライトが適しています。

 

照明の取り付け位置ですが、お互いの視線を遮らず、眩しくならないようにすることが大切で、食卓から60cm~80cm上の位置が基準で、4人掛けのテーブルは一灯で十分ですが、6人掛けのテーブルでは2灯が適切な明るさです。

 

まとめ

現在のシステムキッチンは、簡易施工型ですので、キッチンの間口によっては隙間が空いてしまうことがありますので注意が必要ですし、設備器具についてもメーカーの設定範囲での選択となりますので多少の妥協も必要となります。

しかし、価格面では、手頃な価格ですし、施工精度も良く短期間で終わります。

 

キッチンの性能も大切ですが、料理を美味しくさせるのは、見た目でもありますので、ダイニングでは照明が大切な役割を果たしています。

 

料理は舌だけで味わうものではなく、視覚・聴覚・臭覚・触覚・味覚・といった五感で味わうものですので、内装にも気配りが必要となります。

 

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