開き戸・引き戸の基礎知識
友人や隣人など訪ねてきた時など、最初に目に入るのが玄関ドアです。
玄関のドアは、住まいの顔と言っても過言ではないと言えます。
最近の建具の色や柄、デザインなど表情も豊かですので、さまざまな種類のものがあります。
そこで、開き戸や引き戸の構造や素材について調べていくことにしましょう。
建具の役目とは
友人や隣人など、家に訪ねてきた時、最初に目にするのが玄関ドアで、住まいのイメージを左右する大切なインテリアの一つです。
最近のドアも、デザインや色・柄などが豊富に揃っており、住まいのイメージにあったものを選ぶのが重要となります。
ところで、開き戸や引き戸などを総称して建具といいます。
建具は、インテリアの中でも目立つ存在で、空間とマッチした良い建具を選ぶことで、住まい全体や部屋のイメージを高めることができますので、建具を交換することで、家の雰囲気をがらりと変えることができます。
建具の役目は、単に人が出入りするだけのものではありません。
建具には、住まいの大切な、採光や通風といった機能面での役目もあります。
そのため建具は、人の出入りや採光・通風などのために、頻繫に開閉されるものですので、使いやすく丈夫なものを選ぶことが大切な要素となります。
建具の基本的な機能
建具には、開き戸と引き戸があるのは、ご存知だと思います。
一般に開き戸とは、洋風のドアのことを指し、玄関や洋室の出入り口に設置される建具です。
また引き戸とは、和風の部屋に良く使われる建具で、襖や障子などの建具のことをいいます。
まず、玄関や洋室などに使われるドアですが、室内ドアの種類には、框戸(かまちど)、フラッシュ戸、ガラス戸などがあります。
ドアの開閉方法ですが、押して開けるタイプと引いて開けるタイプがあり、これらを総称して開き戸と言います。
開き戸の形状(開き方)によって、片開きドア、両開きドア、親子ドアがあります。
一般の住まいでは、通常使われているのが片開きドアや両開きドアですので、親子ドアというのはあまり馴染みがないと思います。
親子ドアとは、大きい出入りドアと小さい出入りドアの組み合わせで、通常の出入りは、大きい親ドアの方だけで行います。
その際、子ドアは閉めておきます。
小さい子ドアを開ける時ですが、子ドアだけを開ける時としては、回覧板や連絡簿を受け取る時などで、親子とも開ける場合ですが、大きい物を入れる時、たとえば大型の家具や家電製品などを出し入れするときなど、両方開けることで有効幅を大きくするという機能があります。
ドアの開閉ですが、木製ドアの場合、扉の厚みが30㎜~40㎜くらいありますので、開閉させるとき、丁番を中心に回転させますので、回転したとき、枠に引っ掛けることがありますので、通常は、開く側の木口にテーパー(木の角をペーパーなどにより斜めに面をとること)を付けることが多くあります。
また、両開きの場合は、扉と扉の間に2㎜~3㎜くらいの隙間(チリと呼ばれています)をつけ、この部分にもテーパーがけをして扉の開閉がスムーズに行えるように加工されています。
框戸の種類と構造
建具には框戸というのがあります。框戸には、唐戸(からど)、舞良戸(まいらど)、格子戸、ガラリ戸といった種類があります。
框戸とは、建具の四辺を框と呼ばれる幅の広い枠材で構成したドアのことを言います。
框で組まれた中に「鏡板」と呼ばれる板を入れたり、ドアの縦と横を「中框」や「つか」と呼ばれる桟で分割したものがあります。
ところで、ここでいう框とは、玄関を構成する框とはずいぶん違い、框とは「枠組」のことと考えればよいかと思います。
つまり、建具の枠組み、玄関の枠組み、額の枠組みなどはすべて框と呼びます。
唐戸とは、太い框組みに鏡板をはめ込んだ洋風の框戸をいいます。
この唐戸ですが、デザインに風格がありますので、客間などのドアに使用すると重みがあり、ずっしりとした空間にすることができます。
舞良戸(まいらど)は、框組みの中に1枚の板をはめ込み、その板の前面に舞良子という細い桟を一定の間隔で平行に取り付けた戸のことで、昔のトイレの戸などによく見られました。
格子戸は、框組みの中に、縦横に中桟を入れ、ガラスをはめ込んだ明りとり兼用の戸のことで、リビングなどのドアに使用されることが多くあります。
ガラリ戸(よろい戸とも呼ばれています)は、小幅の羽根板のことをガラリといい、これを斜めにして平行に多数取り付けた、通風のための戸のことで、よく物置や納戸に使用されています。
フッラシュ戸の構造
框戸に対して、フラッシュ戸というのがあります。
この戸は、框戸のように表面には、枠材が見えず、木の骨組みの両側に素地合板(ラワンベニヤなど)や化粧合板(ポリ合板やメラミン化粧板など)を貼り付けたドアのことをいいます。
フラッシュとは、接する2材の高さが同一になっている、あるいは表面が平らな状態になっているという意味です。
フラッシュ戸の特徴ですが、軽量で狂いが少なく、コストも低く経済的なため、戸に限らず幅広く利用されており、身近なものとして、下足箱や吊戸棚、書棚などの可動棚もこのフラッシュ構造になっています。
まとめ
住まいの外観イメージや室内のインテリアに大きく影響を与えるのが建具です。
たとえば、来客が訪ねてきて最初に目に入るのが、玄関ドアですので、玄関ドアは住まいの顔といっても良いと言えます。
建具には、いろいろな構造やデザインがありますので、各々の特性をよく理解した上で、部屋の用途やインテリアに合わせた建具を選ぶことが大切です。