調理器具と換気設備の基礎
ホームセンターや家具量販店などに展示しているシステムキッチンを見てみると、大半がIHクッキングヒーターですし、換気扇も従来の直接排気ではなくダクト式換気が増えています。
そこでこれらの設備機器の特徴などを調べてみましょう。
IHクッグヒーターの安全性とは
ホームセンターや家具量販店などに展示しているキッチンの調理器具ですが、大半がIHクッキングヒーターとなっています。
従来はガス調理器具が主流でしたが、現在の住宅の多くが、太陽光発電やオール電化の普及がIHクッキングヒーターの普及に拍車がかかったと言えます。
従来のガス調理器具の場合ですが、ガスにはLPガス(LPG)と都市ガスがあり、ガスの種類によってガス器具を選ばなければ、火災・爆発といった大事故の危険性があります。
ところで、震災や台風・豪雨など天災が多く発生しており、その度にライフラインに大きなダメージを与えています。
たとえば、阪神・淡路大震災を例にとって言えば、地震発生後、殆どのライフラインが損傷し、中でも各家庭で使われているガス器具の配管に亀裂が入り大規模なガス漏れが発生し、そのガスに漏電などの火花によって引火し、火災が発生し大惨事となりました。
天災などによる災害の場合、ライフラインの復旧順序として、最初に水道、次に電気、最後にガスの復旧となっています。
万一、IHクッキングヒーターで調理中に大きな地震が発生した場合、第一に自分自身の身の安全を確保し、揺れが納まってから、ヒーターの操作を行って下さい。
鍋やフライパンなどが大きくずれても、自動的に加熱がOFFになりますし、直火ではありませんので、火災などの心配はガス程ではありませんので、落ち着いて行動して下さい。
IHクッキングヒーターの利便性
大きな災害が発生した場合、電気もガスも止まってしまうことが多くありますが、復旧するまでどれくらいの日数がかかるかご存知ですか。
地域差もあり災害の大きさもありますので、一概には言えませんが、阪神・淡路大震災をまた例にしますが、100%復旧するまでに要した日数ですが、水道と電気の復旧に要した日数は、7日~10日間でしたが、ガスの場合は、ガス管を地中に埋めており、瓦礫などを処分しながら、火災など二次災害の発生もありますので、慎重に作業しなければいけない為に約90日の日数を要しました。
このようなことからIHクッキングヒーターが流行してきており、IHクッキングヒーターはガスに比べ熱効率が高く、短時間で無駄なく調理ができ効率よく使用でき、電力消費は思ったより低いのが現状です。
ガス機器とは違い火を使いませんので、部屋の温度が上昇しにくいため、エアコンの温度調整をする必要がなく節電にもつながります。
台所の換気方法とは
キッチンは調理を行う場所で、魚や肉などを焼く臭いや、油の臭いなどで換気が必要となります。
システムキッチンは、当然のことながらどのキッチンでも換気設備はなされています。
ところで、換気扇も機械ですので当然のことながら寿命(対応年数)があり、取り替え時期があります。
換気扇の換気方法にも種類があり、主流は直接排気型でしたが、マンションなどの集合住宅の普及や戸建て住宅の断熱性能の向上などにより、直接排気+フード型・レンジフード型・ダクト使用型が主流となってきました。
換気方法の特徴
直接排気型とは、壁や窓などに取り付けたプロペラファンで直接排気します。
つまり、調理器具の上の壁に直接穴を開けプロペラファンを取り付けたものです。
プロペラファンとは簡単に言うと一般に換気扇と呼ばれるものです。
構造が簡単で掃除もしやすいのが特徴で、軸流ファンともいいます。
直接排気+フード型は、直接排気に排気フードを加えたもので、コンロの上に取り付けるボックスで、効率よく換気することができます。
レンジフード型と呼ばれるものは、すでに排気フードが付いている換気扇で、深型(ブーツ型)のシロッコファンと浅型のターボファンがあります。
両方ともフードの中にグリスフィルターという金属製の網が付いており、油煙をカットしますが、ピンポイント用の換気扇ですので、広範囲での換気には不向きです。
ダクト使用型とは、フード付き換気扇からダクトを引いて排気するもので、ターボファンが多く使われています。
このターボファンですが、最近のキッチンスタイルで人気のアイランドキッチンのように、壁がなく天井から換気器具が取り付けられている換気スタイルです。
換気扇を取り換える時は種類を確認
現在使っている換気扇を取り替える場合ですが、現在どのようなタイプの換気システムを使っているのか把握しておく必要があります。
現在使っている器具を同じタイプの器具に単に交換する場合は、費用も工事期間もかからず、行うことが出来ますが、換気システムそのものを変える場合は、費用も工期もかかってしまうことが多くあります。
たとえば、直接排気のプロペラファンから浅型あるいは深型のレンジフードにした場合、プロペラファン用に開けられた壁の穴を補修しなければならなくなり、壁の補修費用が別途必要となり高額となってしまいますので、換気設備を交換する場合は、工務店やリフォーム会社などの担当者とよく相談して下さい。
まとめ
最近の流行だと言ってIHクッキングヒーターの交換される方が多くいますが、IHクッキングヒーターの特徴をよく理解して交換することが大切で、IH用の調理具に交換しなければいけないことも覚えておく必要があります。
IHクッキングヒーターはガスに比べて確かに安全ですので、ご高齢の方がいるご家庭や小さなお子様が居るご家庭には最適だと言えます。
次に換気システムですが、現在使っている換気器具の種類を把握して置かなければ、換気器具を交換しなければいけなくなった場合、選ぶ器具によっては、費用が高くつき、工期も長くなることが多くありますので、工務店やリフォーム会社などの担当者とよく打ち合わせをすることが重要です。