安全で快適なバリアフリー住宅

バリアフリーという言葉をよく耳にしますが、安全で快適なバリアフリー住宅とはどういうものなのか、そもそもバリアフリーとはどういう意味なのかを調べていき、高齢者の方や身体に障害のある方も快適に暮せる住まいについても考えていきましょう。

バリアフリーとは何か

バリアフリー(BarrierFree)とは、身体に障害のある方や高齢者の方など、社会生活弱者の方が社会生活に参加する上で生活の支障となる物理的に障害、たとえば段差の解消、階段のスロープ化などの施策や具体的に障害を取り除いた状態をいいます。

また広い定義として、コミュニケーションのバリアフリーというのもあります。

これは、文字放送や手話通訳、手話放送なども含まれソフト面のバリアフリーとも言われていますが、手話通訳や要約筆記は命に関わることがありますので、司法等ではハード面となることもあります。

 

バリアフリーリフォームの進め方

日本の社会的問題が高齢化現象です。

高齢者とは65歳以上の年齢の人を指しますが、75歳未満を前期高齢者、75歳以上を後期高齢者と呼びます。

 

高齢者の増加に伴い、身体に障害を持ったり、認知症となったりして、介護を要する高齢者も増加傾向にあり、2025年には団塊の世代が後期高齢者となり、75歳以上の一人暮らし高齢者数が290万人となるとされています。

 

このように脚・腰の悪い高齢者が増えていく中、安全にそして自分の力で快適な日常生活が送れるようにする、バリアフリー住宅をつくるには細やかな配慮が必要となります。

 

バリアフリーを考える上で必要なことですが、対象となる人が障害者なのか要介護を必要としている高齢者の人なのか、また同じ高齢者でも介護を必要としない人なのかで変わってきます。

 

バリアフリーのリフォームなどをする際ですが、障害者の方や要介護の高齢者の方が対象の場合ですが、自治体の担当者ケアマネージャー、福祉住環境コーディネーターなどの専門知識を持った方に、症状にあった適切なアドバイスを受けて、建て替えやリフォーム工事を行なうことが安全で確実です。

 

日本の住環境は高齢者・障害者に不向き

日本の住まいは、高齢者や障害者の方の生活には不適当な面が多く、介護を困難にし、高齢者・障害者の自立を妨げている部分が多くあります。

 

まず、日本の住まいでは、段差が多いのです。

日本の家屋の場合、木構造が基本ですので、玄関、廊下と和室、和室と洋室、脱衣室と浴室など段差が多く、移動などに不便で転倒事故が起こりやすいのです。

 

また日本家屋は、伝統的な尺貫法によるモジュールで、基本寸法が3尺(91㎝)ですので、廊下、階段、開口部の幅員が狭く、さらに室内空間も狭いうえに、生活の様式が西洋化しているために室内に家具類が増え、車イスなどの使用や室内移動、福祉用具の活用を困難にしています。

 

日本の住まいは、夏に重点を置いているため、冬場は、局所暖房のため住居内の温度差が大きく、ヒートショックなど健康を害する恐れがあります。

 

自然の老いに対応するバリアフリーとは

高齢者の方で介護を必要としないのですが自然な老いによりバリアフリー化が必要な場合が多くあり、その際、どの程度までの健康状態を想定したプランニングにするのか考えることが大切です。

 

自然の老い、つまり老化現象の症状は、身体、生理、心理、生活構造の面に分けられます。

 

現在生活する中で何に不自由を感じるのかを聞くことにより、バリアフリー計画を進めていくことがポイントで、例えば玄関の出入りが大変ならば、玄関やアプローチに手すりを設置しなくてはなりません。

また、浴室・トイレ・廊下などにも手すりが必要となるなど、バリアフリー対策がどこまで必要かを見極めながら、工務店やリフォーム会社などと打ち合わせしながらプランニングすることが大切です。

しかし、いくら高齢者だといってもあまり過保護にするのも要注意です。

 

バリアフリーの基本的な考え方

バリアフリーの基本的な考えは、安全で機能的に使えるのか、清潔な状態を保てるか、プライバシーを保護できるかといったことが前提です。

 

バリアフリー住宅を検討する際には、どこまで設備・器具を充実させるかを、利用者本人の理解と判断によって決定していくことです。

この時の判断材料として、老化の症状から求められる、住まいの設計上の配慮として、将来的に車イスを使用するにあたっての安全への配慮や、急に病気やケガになった場合の緊急通報装置の設備や出入り口などの形状、手すりや昇降機などの設置や階段の段差や部屋間の段差の除去、照明などの明るさで空間と認識できるような色彩にすることです。

そのうえ、床暖房をはじめとする室内温度の均一化、床面を滑りにくい材料を使用する、手すりを取り付ける、または、将来に見越して下地を入れておく、室内での移動方法や動線に合わせたスペースを確保するなどです。

 

しかし、これから全てを行うには経済的にかなりかかりますので、資金や予算面において無理の無いように計画することが大切です。

 

まとめ

現在、社会問題である高齢化により、障害者や認知症の増加が考えられバリアフリー化が一般でも広がってきました。

 

バリアフリーの効果としては、高齢者の方が自立した生活を送ることですが、生活をしながら何らかのバリア(不自由)を感じた時、出来るだけ速やかに対処することにより自分の力で生活をする意欲を失わせないことが大切です。

 

自分の力で生活する意欲を持った場合、身体機能の低下、たとえば目・耳・運動能力の低下を少しでも遅らせることができますし、もし介護が必要になった場合でも介護する側の作業が少しでも軽減されるという効果もあります。

 

資金面においては、自治体によって改修費用の融資制度や住宅ローンの利子の一部補給制度、高齢者住宅改造費補助制度などがありますので、事前に制度の有無や内容を各自治体の高齢者福祉担当部署や福祉課などに問い合わせて下さい。

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