寝室プランニングのポイント
寝室は、1日の疲れを癒してくれる場所ですし、夫婦のプライベート空間でもあります。寝室ぐらい静かで落ち着いた空間をつくりたいというのは、皆が思うことです。
そこで寝室をプランニングする際のポイントを考えていきましょう。
静かで落ち着ける環境をつくろう
寝室と言えば、1日の疲れを癒す場所ですので、静かで落ち着ける環境をつくることが重要となってきます。
では、この環境をつくるには、どのような点に注意すればよいのかということですが、気を配れば良い点は、「音」「光」「外部からの視線」の三つです。
寝室をプランニングする際は、この3点を重視しながら計画していきます。
プランニングする場合、外部である隣家や道路、内部の他の部屋との位置関係を考えて、プランニングすれば、静かで落ち着いた空間を実現することができます。
静かな空間をつくるには
隣家や道路などの位置関係を考えながらプランニングしても、どうしても道路に面してしまう場合もありますし、寝室の採光や通風を考えて窓を設置しますが設置した場所が、道路の面してしまうということになった場合は、窓のサッシを2重サッシなどの、遮音性にすぐれたサッシや遮音壁の設置により、静かな空間をつくることができます。
また、外部の騒音や隣室からの生活音をやわらげる一種の暖衝地帯として、押し入れやウォークインクローゼットなどの、収納スペースを利用するといったプランニングをする方法もあります。
たとえば、道路に接した面にウォークインクローゼットを設けたり、隣にサニタリーや子供部屋がある場合は、部屋と部屋の間をクローゼットなどの壁面収納にするなどにすれば、隣の音を気にすることなく過ごすことができます。
採光にも気配りを
最近の住まいの特徴として、雨戸などが設置されていない住まいが多くあることです。
雨戸の役目としては、台風などの強風や暴風雨から住まいや窓を守ってくれます。
また、真夏の太陽の熱や西日などから、家具や壁・床の焼けを防いでくれる役目もあります。
そこで、住まいに雨戸などが設置されていない場合は、雨戸やシャッターなどを取り付けることで、真夏の太陽熱や西日などから室内の温度の上昇を防いでくれますし、朝日で熟睡が妨げられるということが無くなります。
しかし、眠る前に全てを閉め切ってしまうと、部屋に光が入らず寝過ごす場合がありますので、手のひらを縦にしてはいるぐらいの隙間を開けておくと、熟睡を妨げない程度の光が入り、快適に目覚めることができます。
雨戸やシャッターを取り付けるのが困難な場合や予算的に難かしい、あるいは、もっと手軽にしたいという方は、遮光性のあるカーテンを取り付けるという方法があります。
遮光カーテンを取り付ける前にカーテンボックスを設置しておくと、カーテン上部の隙間からの光漏れを防ぐことができます。
寝室に窓の設置をおすすめしましたが、窓を設置する場合、プライバシーを守りながら光や風を取り込むことが大切で、プライバシーを守るためには、窓の高さがポイントとなってきます。
窓の高さですが、大人が立った状態で肩の高さを窓の下端とします。
また、外部からの視線が入り難いハイサイドライトやローサイドライトなど、立件条件に最適な窓を計画することが大切です。
寝室の適切な広さとは
寝室の広さを考える前に、布団を敷いて寝るタイプなのか、ベッドで寝るタイプなのかで広さが変わってきますが、最近では、年齢を問わずベッドを使う方が多くなっていますので、ベッド中心で考えていきます。
寝室という空間は、基本的にあまり動き回る部屋ではありませんので、通路の幅は最小限でも良いのですが、ベッドや収納家具(タンス、クローゼットなど)などを設置しなければいけません。
そこでこれらを置いた時、足の踏み場もないのでは話にならず、ベッドメイキングや掃除の際など不便です。
そこで寝室の広さはどれだけ必要なのかと言えば、シングルベッド2台置くなら8畳程度必要で、ダブルベッドの場合、6畳程度必要となります。
ベッド配置のポイント
寝室にベッドを置く場合ですが、ご夫婦によって別々にベッドを使用して寝るというご家庭があります。
このご家庭の場合、シングルベッドを2台並べて置くことになります。
その場合は、両サイドの壁から65㎝以上は開けて据えるようにします。どちらかを壁につけてしまうと、ベッドメイキングが困難になってしまいますので、壁から離して設置するのです。
ところでこの置き方は、お互いの身体の動きが伝わらず、ゆっくり眠りたい方に最適な配置方法です。
先程も触れましたが、シングルベッド2台を離して置く場合、ベッドだけで約6畳のスペースが必要になり、クローゼットやドレッサーなどを置きますので、最低でも8畳は必要となるのです。
ダブルベッドの場合は、壁から65㎝以上離して設置した場合、4.5畳あれば十分なのですが、ドアの位置やクローゼット、ドレッサーなど置くことを考えれば最低6畳は必要となります。
ベッドを壁につけない理由ですが、ベッドメイキング以外に、壁にぴったり寄せてしまうと、掛け布団がずり落ちてしまうからです。
寝室にどのような寝具にするのか決め、寝室の広さを割り出して、プランニングします。
その際、収納家具から出し入れするためのスペースが必要となります。
また壁面にクローゼットを設ける場合、開き扉はベッドとの間を90㎝程度離さなければいけませんが、扉が折れ戸や引き戸では50㎝~60㎝程度で大丈夫です。
さらに、ベッドとベッドの間にチェストを置く場合、抽斗を引く空間と人がかがむことを考えれば、最低75㎝の間隔をあける必要があります。
寝室の在り方
寝室の一般的なプランニングは、ベッドやナイトテーブルなどを配置した、ホテルのような空間で、一見、機能的に見えるのですが、もっと自由な発想で自分らしい空間づくりを計画してはどうでしょうか。
一般の戸建て住宅では書斎などのプライベート空間を設けることが困難です。
そこで寝室の一角にカウンターを設置して書斎とします。
また、平日の日中など誰も使わないときは、奥さんのアイロン掛けの作業台や、趣味の作業台としても使うことができます。
また、二世帯住宅にリフォームするのであれば、寝室を広めに取り、プライベートリビングの機能を持たせたプランもあり、寝室だけでなく自由に発想してプランニングすることも大切です。
まとめ
寝室の基本は、1日の疲れを癒してくれる場所ですので、静か落ち着いた空間にすることが大切です。
そのうえ、寝具の種類によって寝室の広さも変わってきますし、敷地によっては広さを取れない場合もありますので、よく検討することが大切です。
また、寝室を寝室だけに使わず自由な発想により、色々な機能を持たせた空間にプランニングすることも必要です。