二人三脚の住まいづくり
自分達の家を持ちたいと、分譲住宅を見学に行っても、画一的な家ばかり、そこで思うのが、どうせ自分の住まいを持つなら、自分だけのオリジナルの家を建てたいと思うものです。
そこで、自分だけのオリジナルな住まいを建てるには、どうすればよいのか考えていきましょう。
住まいづくりは、建築家と建主の共同作業
自分だけのオリジナルな住まいを建てる、あるいは世界にたった一つしかない家が欲しいという人には、個性的なイメージを持ち、プラン面でもデザイン面でもオリジナリティあふれる提案をしてくれる建築家との住まいづくりが最適だと言えます。
住まいづくりは、建築家との建主との共同作業なのです。
お互いの意見を出し合い試行錯誤を繰り返しながら、一つの住まいをつくり上げていくことになります。
それ故に、住まいに対する考え方や価値観、美的センスなどがどこまで似ていることが、重要になってきます。
建築家とパートナーを組む場合、大切になってくるのが相性なのです。
相性が良くない建築家とパートナーが組んでしまうと、作品を押し付けられたなどというトラブルになる可能性がありますので、話し合いの時間をたっぷりとって、納得のいくパートナーを選ぶことが大切なのです。
建築家と組むと予算的な面もクリアできる
住まいを建てるとなると、敷地面や予算面で問題が多く発生しますが、それらの問題を解決してくれるのが建築家なのですが、経験豊富な建築家の方がより安心することができます。
敷地面では、狭小敷地や変形敷地、住宅密集などの悪条件では、建築家ならではの設計力が強い味方になってくれます。
たとえば、狭い空間を広く見せるあるいは効果的に光を取り入れたりと、柔軟な発想で悪条件を逆手にとり、プラスに変わるように工夫するなど建築プランを考えてくれます。
予算面において、予算が厳しい場合に、ローコスト住宅を希望すれば、施工しやすくて頑丈な工法や、安くて質のいい素材や設備などを取り入れて、コストダウンに生かしてくれます。
たとえば、間仕切り壁の少ない箱型のプランで、材料費と工事費の両方をカットするテクニックもよく見かけます。
通常の場合、建築家に依頼すれば、工事費の10%~20%が設計料としてかかり、施工費が高くなるというイメージがありますが、コストダウンの工夫によって、かえって安く建てられることもあります。
特に、ローコスト住宅を得意とする建築家でしたら、豊富な知識やアイデアを持っているのです。
施工や法的手続きなども業務の内
建築家の業務ですが、プランニングづくりのほかに、敷地の調査や竣工までの設計監理、建築確認申請などの法的手続き、工事中の施工管理、工務店と建主の調整など、さまざまな項目が含まれています。
工事が始まると建築家は足場に現場に通って、進捗状況や施工状態などをチェックし、施工が遅れていたり施工上の間違いなどがあれば、適切に指示します。
万一、トラブルなどが生じた場合、工務店と建主の間に立ち、解決のための調整も行います。
また、建築家の業務には、竣工検査や入居後のアフターケアもサポートしてくれますし、不具合があった場合でも気軽に相談することができますし、また、外壁や床材などのメンテナンス方法などを、完成時に聞いておくこともできます。
将来、壁の塗り替えや屋根の葺き替えなど、リフォームや二世帯住宅などに増改築の場合でも、同じ建築家に依頼することにより、無理のないプランや統一感のあるインテリアを実現できます。
建築家の多くの場合、予算管理などのソフト面においても重要な役目をしており、施工前の工務店の選別もしてくれます。
たとえば、数社の工務店から見積もりを取り寄せ、内容を客観的な立場から比較・検討して、必要なアドバイスをしてくれる建築家が数多くおり、素人にとっては、見積もりが適切なのか、値引きできる部分はないのか、また、工務店の技量についても判断できませんが、建築家でしたらプロの目でチェックしてもらえ工務店を決定する判断材料となります。
建築家を選ぶには
よく、テレビなどで匠など呼ばれる建築家がいますが、そういった建築家はざらで、多くは小規模な個人経営の設計事務所です。
小規模な個人経営の設計事務所の場合、建築家の性格がそのまま仕事に反映されることになりかねません。
そのため建築家によっては、設計期間が1年以上かかった、予算管理がどんぶり勘定であったというケースもあり、こういうトラブルを防ぐには、実際に会って相手の人柄を見るのがいちばんです。
また、完成までのおおまかなスケジュールや打ち合わせのスパン、アシスタントの人数、年間に手掛けている棟数など、事務所としての体制についても確認しておくことがベストで、一人だけでなく、何人かの建築家に会って比較してみることも大切です。
建築家は自分で探す
よく、建築家は、知り合いの紹介がないと依頼しにくいといった意見を耳にしますが、知人の紹介で仕事を依頼しようと打ち合わせを行っていくうちに、相性が合わないということがおこることもあります。
このような場合、断りにくく率直な意見や希望を言えなかったりと、かえってトラブルのもとになる場合がありますので、自分で探すようにすることがポイントです。
また、建築家は芸術家と違い、建主の希望や敷地条件、使いかってなど多くの要素をふまえてプランを提案してくれますが、その人自身の個性も出てきますので、その人の作風がすぎて、この建築家の家に住みたいと思うことが大切です。
まとめ
自分らしさの住まいを実現するには建築家に依頼するのが一番良い選択だと言えますが、建築家との相性が大切です。
建築家との価値観が違うと意見がまとまらないどころか、建築家の意見を通されてしまい、自分の考えとは違う使い勝手の悪い住まい、ともなりかねませんので注意が必要です。
また、建築家を探す場合は、知人などの紹介ではなく自分で探すことが、トラブルを少なくする秘訣ですが、もし、相性に少しでも不安を感じた時は、断る勇気も大切です。