リノベーションの特徴と注意点
リノベーションという言葉を一度は耳にされた方は多いと思います。
ところで、リノベーションとはどういう意味なのでしょうか。
そこで、リノベーションの特徴と、工事を行う際や物件を購入する際の注意点を調べていきましょう。
リノベーションとは
リノベーションとはどのような工法なのか、リノベーションとは、マンションならコンクリートむき出しの状態、つまり躯体だけにしてしまいます。
また、戸建て住宅の場合は、親柱や間柱、棟だけの状態まで、解体してしまい、現在のライフスタイルに合わせた間取りや、素材などを予算内に収まるように上手く組み合わせていき、満足度の高い住まいを造ることをいいます。
また、解体して住まいを造っていく上で、旧耐震基準で建てられている住まいは、現在の耐震基準に合うように補強を施していきます。
リノベーションと新築の比較
リノベーションとはある意味フルリフォームですので、既存の建物を取り壊して新築にするのか、柱や棟を残してリノベーションするのか迷っている方が多くいます。
その迷っている方の大半が、築35年以上経過した住まいで、築35年以上の建物といえば、昭和56年で、この年の6月以前の建物は旧耐震基準の建物なのです。
また、この築年数の建物を保有されている方は、団塊の世代と呼ばれる方で、ローンを払い終わっているか退職金の一部を返済に充てているという方が多いです。
ところで、住まいをリフォームした場合、サッシ周りのリフォームで、約300万円~400万円、間取りの変更、天井、床、壁、水回りなどの設備機器の交換など、リノベーションした場合、1,500万円以上はかかってきます。
さらに、基礎の老朽化などが加われば追加費用が発生しますので、費用はどんどん高くなることがあります。
一方、新築にした場合、本体工事・外部の付帯工事を合わせて一般的な工務店に依頼した場合、坪単価50万円~60万円で施工することができますし、今流行りのローコストビルダーに依頼すれば、40万円~50万円で建てることもできます。
ここに解体費用を付加しても、2,000万円以下で新築の住まいを手に入れることができますが、これはあくまでも、自己所有の住まいがあることを前提にしておりますので、新規で住まいを手に入れる場合は、考え方がかわってきます。
リノベーションの魅力
本来のリノベーションの魅力ですが、自分の好みに合った住まいを造ることができ、また、家族構成やライフスタイルにあった住まいを造ることができるところがいい点です。
住まいを手に入れる際に誰しも思うことは、「出来る限り、自分の理想に近い住まい」あるいは、「家族構成やライフスタイルにあった住まい」を手に入れたいということです。
新築物件・中古物件に限らずそういった物件というのは探すのが大変ですし、あったとしても全てが一致した物件ではなく、どこか妥協しなくてはいけないところがあるのが現実です。
妥協し無理をして新築物件を購入するのであれば、価格の安い中古物件を購入して自分の理想や家族構成、ライフスタイルに合った住まいを造ることにより、愛着の持てる住まいとなっていき、結果的には住まいを長持ちさせることになるのです。
リノベーションの注意点
まず、自己所有の住まいがある場合ですが、住まいを新築するよりも、リフォームした方が費用を安く抑えられると思っておられる方が多くいますが、これはあくまでも部分的リフォームの場合です。
住まいを解体してリノベーションする場合、基礎や柱・棟の老朽化、現在の耐震基準を満たしていないなど、思わぬ追加工事が出ることが多々ありますので、建て替えるのかリノベーションするのか、よく工務店やリフォーム会社など施工業者と相談することが大切です。
新たに住まいを手に入れる場合は、新築物件に気に入ったものがなければ、格安の中古物件を購入してリノベーションするという方法があります。
その際に注意しなければいけないことは、今後のライフスタイルで決めることが重要となってきます。
たとえば、現在の年齢、家族構成、資金といったことを、考えながら検討することが大切です。
もっと深く掘り下げていえば、今後、この住まいはどうなるのかを考えることが大切で、夫婦2人の終の棲家とするのか、子供に継承してもらうのかといったことも判断基準になってきます。
リノベーション物件を購入する場合
住まいを購入する際、「お金をあまりかけずにキレイな住まいを手に入れたい」「新築にも負けないくらいのお買い得物件が欲しい」と誰もが思うことです。
このような要望に応えられるのが、リノベーション物件です。
しかし、中古物件によくリフォーム済みと記載された物件を目にしますが、このリフォームの内容の多くが、クロスの張り替え、キッチンやトイレなど水回りの入れ替えなど、これらは元の住人が住まいを売る際に施されたリフォームですが、リノベーションの場合は、不動産会社が自社物件を販売するために行われることが多くあります。
リノベーション物件の魅力は、床や天井、壁、キッチン、浴室、洗面所など全ての設備機器が取り替えられており、また、戸建て場合は、外壁や屋根まで葺き替えられていることも多くあり、価格も新築物件よりも格安となっていますので、新築同様の住まいを手に入れることができます。
リノベーション物件ですが、何の手も加えることなく住まうことができますが、自分の好みにリフォームすることが難しいというデメリットもあります。
価格が安いという理由だけで、ある程度のことに関して妥協してしまうと、住み心地が悪く、使い勝手の悪い住まいとなってしまい、結局リフォームして高くついたということもありますので、慎重に選ぶことが大切です。
また、住まいの資産価値にも注意が必要で、戸建て住宅の場合は、建物より土地価格が重視されますので、神経質になる必要はありませんが、中古マンションの場合、リノベーションされて既存のものより、価格が高く設定されていることが多くありますが、銀行などの住宅ローン融資を申請した際、実際の資産価値でしか評価してもらえないということがあり、購入金額と融資金額とにかなり差が生じることがありますのでご注意下さい。
まとめ
リノベーションは、フルリフォームのことですので、既存の建物の所有区分によっては費用が高くなる場合があります。
たとえば、住まいが自己所有のものでしたら、耐震性や躯体の状況によってはリノベーションするより、建て替えをした方が得策と言える場合が多くあります。
一方、新しく住まいを手に入れたいという方には、格安の中古物件を購入して、耐震基準を満たした自分の理想の住まい、あるいは家族構成やライフスタイルに合った住まい造りをすることができます。
リノベーション物件を購入する場合は、自分の理想やライフスタイルに合った物件を選ぶのは当然ですが、資産価値も考える必要があります。
特に、リノベーション済みの中古マンションの購入を考えている方で、住宅ローンを利用する場合は、取り引きのある金融機関などで一度ご相談されることをオススメします。