吹き抜けは必要?なくすための費用は?

吹き抜けのある住まいは、ひと昔前までは憧れでしたが、最近の新築住宅を見れば、吹き抜けのある住まいが増えてきています。

そして多くの方の第一印象が「素敵な住まい」と言います。

しかし、本当にそうでしょうか?

そこで吹き抜けのメリット・デメリットを検証し、また本当に吹き抜けは必要なのか、無くすにはどれくらい費用が必要なのか調べていきましょう。

吹き抜けのメリットとは

吹き抜けのメリットですが、それは何といっても開放感です。

この開放感によって住まい全体が広く感じられます。

しかし、これは錯覚によるもので、横の広さに加えて高さがあれば、人は広く感じとるのです。

 

ところで、皆さんも経験があると思いますが、天井が高いホテルに入った時に感じるのが開放感です。

また、大型のスーパーや百貨店なども同じで1階から見上げた時に、上階まで見渡すことができれば凄く開放的で明るく感じます。

これと同じ効果を一般の住まいに適応させているのです。

 

吹き抜けの場合、天窓などが設けられていることが多くあります。

これは、吹き抜けの天窓から差し込む光が空間全体を明るくしますので、非常に明るい住まいになるのです。

これは、狭小住宅にみられる技法で、周りを家で囲まれており、土地も狭く光が差し込む余地が無い場合、屋根に窓を設けて光を住まいに取り込むのです。

これは採光を確保するための方法として有効的な技法と言えます。

 

吹き抜けのメリットは開放感だけでなく、たとえば、キッチンとリビングを一体化させたLDKに、吹き抜けを設けることで、家族の気配を感じることができます。

家事をしながら、家族がどこに居るのか感覚的に知ることができます。

たとえば、家族に何か異変が起こっても、その物音の方向へ駆け寄れるといったことや、食事の支度が出来た時などにも一声かけるだけで家族に伝わり、家族の意思疎通も気軽に行えるのもメリットと言えます。

吹き抜けのデメリット

吹き抜けのデメリットは、なんと言っても光熱費です。

吹き抜けは、1階・2階の区別がありませんので、どうしても冷暖房効果が薄れてしまいます。

 

たとえば、冬場は、1階で暖められた空気が、2階へ抜けてしまいます。

暖かい空気は比重が軽く上昇するという体質がありますので、1階部分の暖房が効かないということもあります。

 

また、夏場は、熱気が全て2階へ上がっていきますので、2階にいる人や、2階に寝室がある場合は熱気で寝苦しい夜を過ごさなくてはいけないことになります。

 

この問題を解決する方法としては、住まい全体での冷暖房計画をしなくてはいけないということです。

また、住まい全体を断熱性能を向上しなくてはいけません。

断熱性が高く、住まい全体の冷暖房計画を行ってはじめて、快適な住まいを実現することができるのです。

 

吹き抜けのデメリットの一つに音の問題があります。

吹き抜けの場合、声や音が住まい全体に行き渡りますので、1階で少し大きめの音量で、テレビやオーディオなどのAV機器を聞いていると、その音が2階に響き、2階の部屋で勉強している子供が集中することができない、あるいは、高齢者のいるご家庭では、どうしても生活パターンが違ってきますので、物音に敏感な方でしたら、少しの音も耳につき寝付けないという事態が発生することがあります。

吹き抜けを計画する場合は、断熱性はもちろんですが、防音性にも配慮が必要となります。

 

吹き抜けを部屋にするには

吹き抜けが良いと思い暮らしてみると、冬は寒く、夏は暑く、思った以上に光熱費がかかるため、吹き抜けを部屋にするにはどれくらいの費用がかかるのでしょうか。

 

吹き抜けを部屋にするといっても、床を造ってフリールームや単なる物置部屋にする方法から、間仕切りや出入り口を造って、窓を設けるといったような本格的な部屋にする方法まで色々ですので、工事の種類によって費用が異なってきます。

たとえば、冷暖房の効率が悪いので、吹き抜けに床だけを取り付けるリフォームの場合、6畳程度の広さならば、30万円~60万円程度が相場となります。

このリフォームは、単に吹き抜けを塞ぐのが目的のリフォームで、特に子供部屋も客間も要らないという方におススメのリフォームです。

床を造った後の空間は、物置として利用することもできます。

 

吹き抜けを完全な部屋にする場合

子供が大きくなって部屋が必要になった、あるいは、親と同居することになり部屋が必要となった時ですが、完全に区切られた個室を設ける場合、掛かる費用も高めになる傾向があります。

床を設置して、階段室との間仕切り壁を造ってそこにドアを設置、また内装面においては、クロスを全面的に張り替えてガラス窓をFIXタイプ(開閉ができない、はめ殺し窓)から開閉式の窓に取り替えるなどした場合、150万円~200万円程度の費用になります。

 

開放感を残した納戸

吹き抜けには不満がないけれど、収納スペースがどうしても必要という方は、吹き抜けを納戸にリフォームする方法があります。

 

吹き抜けに床を設置する際に、床を一段高くし、1階の天井をなるべく高くするような納戸にすれば、1階部分の開放感は残したまま納戸を設置することができます。

納戸は物置小屋ですので、床を設ける以外、大掛かりな工事を必要としません。

 

また、仕上がりはロフトのような感覚で使うことができますし、照明器具などを取り付けると、ちょっとした作業スペースにもなります。

また、ご主人の秘密基地にすることも出来ます。

 

リフォーム費用ですが、大きさにもよりますが、6畳程度のスペースだと、照明器具等を設置しても90万円台で行うことができます。

 

まとめ

吹き抜けのメリット・デメリットを紹介しましたがいかがでしょうか?

吹き抜けはメリットと同じくらいデメリットもあります。

 

また、吹き抜けを無くして部屋にするリフォーム方法もあります。

そこで、吹き抜けの計画を進めていくうえで、断熱性や防音性について今一度、ご確認して下さい。

後で、もう少し断熱性をアップさせておけばよかったとか、防音性能を向上させておけばよかったと後悔しないように、しっかりと工務店や設計士と打ち合わせを行い、住まいの快適さについて議論されることをおススメします。

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