システムキッチンの天板
キッチンリフォームで交換すると言えば、システムキッチンを思い浮かべる方が多いと思います。
そのシステムキッチンの天板ですが、最近ではステンレスに変わって人工大理石が主流となってきています。
そこで貴方は、ステンレス派ですか?それとも人工大理石ですか。
そこで、ぶっちゃけた話、どっちが良いのか検証してみましょう。
ステンレスとは
ステンレスの語源は、ステンインレス(汚れが無い)がなまってステンレスと呼ばれるようになりました。
ステンレスは、鉄を主成分として、クロムやニッケルを配合して造られた合金です。
ステンレスの良し悪しは、配合されている割合によって決まり、その配合率を表す値を「SUS***」というように表されます。
一般的なシステムキッチンの配合率ですが、SUS304と呼ばれるもので、ニッケルが8-10%、クロムが17-19%となっており、サビに強く、耐久性、耐候性、耐熱性、耐薬品性に優れています。
人工大理石とは
人工大理石は、その名のとおり人工的に造られた大理石で、アクリル樹脂やポリエステル樹脂を主成分に形成されたものです。
よく人工大理石と人道大理石を一緒にされる方がおり、建築家や工務店の担当者方でも一緒だと思っている方が多くいますが、この二つの形成物は全く違ったもので、人造大理石は、天然の石を粉砕し、セメントや樹脂で固めて作ったもので、自然石が全て光沢や色が違うように、人造大理石も同じものは作れないのです。
一方、人工大理石ですが、主となる材料がポリエステル樹脂やアクリル樹脂の人工素材ですので、大量に同じ色や光沢のものを造ることができるのです。
同じ人工大理石でも、ポリエステル系とアクリル系では特徴が異なります。
アクリル系は汚れても落ちやすく、加工性、耐候性、耐衝撃性に優れており、キッチンの天板によく使われています。
しかし、ポリエステル系はアクリル系に比べて、表面が柔らかいためにキッチンの天板としては不向きで、洗面化粧台や家具の天板として使われることが多くあります。
ステンレスのメリット・デメリット
ステンレスの最大の特徴は、サビにくい(耐食性に優れている)という点です。
また耐熱性にも優れており、成分が鉄であるために完全不燃材と言えます。
皆さんがよく勘違いされるのが、ステンレスはサビないと思い込んでいることで、何かの加減でサビが発生した場合、「サビないと言っていたのに」という言葉です。
確かにステンレスはサビにくいですが、それがイコールサビないということではありません。
配合する割合によって、経年劣化によりサビが発生するステンレスもあります。
サビやすいステンレスの特徴として、自宅にあるステンレス製品で実験して見て下さい。
実験の道具として用意するのは磁石です。
家にあるステンレス製品、例えば、キッチンの天板、自転車のハンドル部分、ステンレス製の包丁などです。それらのステンレス部分に磁石を当ててみて、磁石が引っ付くようならば鉄分が多いということになり、サビが発生する可能性があります。
磁石が付かないステンレスでも、塩素系の洗剤やスチール缶などを長時間放置していると、浸食されてサビの原因となります。
これが貰いサビと言われるものです。
ステンレスは、耐久性や耐候性、耐熱性などに優れていますが、キズに弱いという弱点があります。
ステンレスの天板に、食器や包丁など硬いものを落としてしまうと、キズがつきそこからサビが発生する、といったことがありますので注意が必要です。
人工大理石のメリットとデメリット
人工大理石のメリットは、加工性、耐候性、耐衝撃性に優れており、大量生産が可能であるためコストパフォーマンスにも優れています。
特に割れにくいという点から、ステンレスの天板とともに、一般住宅用の流し台によく使われるようになりました。
しかし、天然の大理石に比べると、表面が柔らかくキズが付きやすく、さらに素材がアクリル系であるため熱に弱いという欠点があります。
また、主成分が、ポリエステル樹脂やアクリル樹脂であるため、塩素系の洗剤や剥離剤などのラッカー系で汚れを落とそうと表面を拭いてしまえば、表面が浸食されて色落ちすることがありますし、本来の艶も無くなってしまいますので注意が必要です。
人工大理石ですが、自然消火するといったものの、可燃物であることには変わりはありませんので、火災には気を付ける必要があります。
燃焼すれば不完全燃焼となり、一酸化炭素などの有毒ガスを発生しますので、火の取り扱いには十分な配慮が必要です。
まとめ
ステンレスと人工大理石とではどちらが良いかということですが、どちらも良い点と悪い点がありますので、一概にどちらが良いとは言えませんが、一つ言えることは、流行りに乗らないということです。
お手入れのしやすさから言えば、ステンレスのほうが手入れはしやすいと言えます。
また、汚れが付きにくいのもステンレスですが、衝撃に弱いですので根野菜など硬いものを多く調理される方は、ステンレスよりも人工大理石のほうが向いていると言えます。
また、魚を自分で調理(三枚おろしなど)される方は、汚れが付きにくく、匂い移りもないステンレスが良いと言えます。
結局、どちらが良いかは、現在の食生活やライフスタイルなどをよく考え、自分ならどちらが取り扱いが簡単かを検討したうえで、選ぶようにするのがよいと言えます。