エコジョーズとエコキュート
何にでも寿命があるように給湯器にも寿命があります。
たとえば、お湯を沸かしているときやお風呂にお湯を張っている時に時間がかかり過ぎている、設定温度の湯温になっていない、また以前よりもガス代や水道代がかかっているといったことです。
このような症状がでれば、給湯器が劣化しているということです。
そこで、今回は、エコジョーズとエコキュートについて考えていきましょう。
エコジョーズとは
エコジョーズとは、エネルギーの消費量を抑えるために開発された給湯器のことで、各ガス機器メーカーでは、二酸化炭素の排出量を減らすためにエコジョーズを推進しています。
エコジョーズは、従来の給湯器に比べて約15%の二酸化炭素をカットしますし、二酸化炭素だけでなく電気エネルギーの削減にも貢献しています。
エコジョーズの特徴
エコジョーズは、ガスだけでなく廃熱を利用することで水を温めます。
そのため、従来の給湯器と比べて、効率よくお湯を沸かすことができます。
また、お風呂に入って追い炊きをする場合でも、廃熱を利用しますので、熱効率がよく、従来の給湯器だと熱効率は80%程度だったのですが、エコジョーズだと95%と効率よく給湯することができるのです。
エコジョーズは、お財布に優しい給湯器ですが、環境にも優しい給湯器で、二酸化炭素の排出量を13%削減しますので1年間エコジョーズを使った場合、スギの木18本分が1年間に吸収する二酸化炭素と同じ量を削減することができるのです。
エコジョーズはたくさんのメリットがありますが、設置する場所がないと悩む方も少なからずいます。
しかし、そういった心配は不要で、エコジョーズは従来型と同じ場所に設置することができますから、つまり特別な場所が必要ではないということです。
従来の給湯器は排水処理が不要です。
でもエコジョーズの場合、特殊な排水を必要としますので工事が必要となります。
また、設置場所や取り付け位置によっては追加費用が発生することもありますので、設置を考えている方は事前に工務店やリフォーム会社、ガスメーカーに相談してください。
エコキュートとは
エコキュートとは、空気中の熱を集めて生活に必要な熱エネルギーに換える、ヒートポンプ技術を活用した環境配慮型給湯器のことで、エアコンの要領を給湯器に生かしたものです。
エコキュートは、夜間の電力で効率よくお湯を沸かしますので光熱費を抑えることができます。
また、ガス給湯器のように火力を使いませんので二酸化炭素の排出量を極端に抑えることができますし、安心でしかも快適です。
エコキュートの特徴
エネルギー効率に優れたヒートポンプを採用していますので、少しの電気エネルギーで最大3倍の熱エネルギーをえることができます。
つまり、従来の給湯器でしたら1=1となりますが、エコキュートの場合は1=3となります。
エコキュートには学習機能がついていますので、過去の使用量をもとに1日に必要な貯湯量を考えて運転していきます。
また万一、1日の使用量が多くなっても、お湯の沸かし直しが可能ですので安心です。
お湯をタンクに貯めて、貯めたお湯を使っていきますので、お風呂とキッチンを同時に使っても安定した湯量を確保することができます。
エコジョーズとエコキュートを比較
エコキュートとエコジョーズは、仕組みや見た目が全く異なります。
エコジョーズの良い所は、設置場所を選ばないということで、必要な時に必要な分だけお湯を沸かすことができます。
一方エコキュートは、深夜電力を使って1日分のお湯を沸かしますので、2カ所同時に使っても湯量は変わりません。
ただし、エコキュートの場合、ヒートポンプユニットと貯蔵タンクを設置しなくてはいけませんので、ある程度の場所が必要となり、そのために設置場所が限られてしまうことが多くあります。
エコジョーズとエコキュートの決定的な違いは、お湯を沸かすときに用いる熱源です。
エコキュートは電力でエコジョーズはガスを用います。
また、エコジョーズの場合、瞬間湯沸かし式ですので必要な時に必要な分だけお湯を沸かして使いますので、エコキュートに比べて放熱ロスが少ないのも特徴です。
まとめ
省エネルギーで環境にも優しいというのは、どちらも甲乙つけがたいものです。
しかし、住まいをどちらの方向にするのかで給湯器の種類が変わってきます。
つまり、オール電化住宅の場合だと、エコキュートを採用することにより効率的に省エネを実現することができますし、オールガス住宅の場合だと、エコジョーズの方が向いていると言えます。
また、家族が多く、お湯をよく使うのであればエコキュートのようなタンクに貯めるのではなく、瞬間湯沸かし式のエコジョーズのほうがよいと言えます。
つまり、どちらが良いかは、住まいの在り方や家族構成によって大きく左右されますので、現在のライフスタイルや家族の行動をよく把握して検討することが大切です。