サニタリーの考え方(1)
サニタリーという言葉を耳にする機会があると思いますが、このサニタリーとはどういう意味かご存知でしょうか。
サニタリーとは、「衛生」「衛生上の」といった意味です。
そういった意味のサニタリーですが、建築では浴室・洗面所・トイレなどの衛生スペースである水回りの空間の総称として使います。
しかし、たまにバス及びサニタリーといったふうに分けて表現することもあります。
そこでサニタリー空間について考えましょう。
サニタリー空間のプランニング
建築業界でいうとサニタリーとは、浴室、洗面室、トイレなどの衛生スペースのことです。
そこで、このサニタリーのプランニングについてですが、浴室、洗面、トイレは、毎日家族全員が使う場所ですので、心地良さはもちろんですが、使い勝手を重視することが大切ですので、家族の動きに合わせたプランニングにすることが望ましいのです。
また、音や臭い、プライバシーなどにも考慮することも必要になってきます。
建売住宅や分譲マンションなどの物件を見ればよく分かると思いますが、一般的に水回り空間はまとめたほうが、配管等もシンプルとなり、コストアップを防ぐことができますので、プランニングの際には配慮することが重要です。
サニタリー空間のプランニングには、浴室、洗面室、トイレがそれぞれ独立したタイプと、バスルームとトイレ、そして洗面といったふうに二つに分けたタイプ、さらには、バスルームと洗面室そして、トイレを一つの空間にまとめたスリーインワンタイプの3つのスタイルがあります。
この中で最も一般的なのが、それぞれが独立したタイプで、二つに分けたり、スリーインワンのスタイルは狭小敷地のプランニングでよく使われ、スペースを有効活用することができます。
また、夫婦二人、家族が少ない、寝室に隣接させたケースに見ることができます。
サニタリーの配置
サニタリーをプランニングするときですが、サニタリー空間を住まいのどこに配置するのかは、ライフスタイルによって大きく異なってきます。
家族がどんな動きをするのか、一日の流れを検討しながらプランニングすることが大切です。
たとえば、仕事で深夜の帰宅が多い旦那さんや、就寝前や起床後すぐに入浴するという方であれば、寝室にサニタリーを隣接させてみても良いと言えます。
また、寝室から繋がるウォークインクローゼットを通ってサニタリーに行くことができるプランも考えることができます。
このプランだと、着替えなどが用意しやすく、洗面室の収納も兼ねることもできますので大変便利です。
共働きなどで、毎日忙しい主婦の方には、洗面室をキッチンに繋げたプランニングをしてみたらどうでしょうか。
食事の支度をしながら洗濯をしたり、身支度をする子供や旦那さんをサポートすることもできます。
また、洗面室から浴室が繋がることで家事動線も短くなしますので、忙しい方には使い勝手がよくなると思います。
洗面室を機能的に
洗面室の機能面ですが、洗面室には洗濯機を置きユーティリティとしての機能を持たせることが多いものです。
そのため、洗面室から洗濯物干し場への動線を短くし、楽に動けるようにすることも考えなければいけません。
たとえば、庭やテラスに洗濯物干し場があるのでしたら、1階に配置し出入り口を確保するプランニングが必要ですし、サニタリーを2階にプランニングするのであれば、ベランダや屋上に干すスペースをプランニングすることも考える必要があります。
ところでユーティリティとは、さまざまな用途に使うことができるスペースのことで、多くの場合は家事作業(洗濯、アイロン掛け、裁縫、家計簿付けなど)を効率的に行うための家事室のことを指します。
サニタリー空間をプランニングする上で、心地よさや使い勝手はもちろんですが、それと同時に、安全性も重要なポイントとなります。
例えば、家族に高齢者の方や小さなお子様がおられる場合、危険のないような空間づくりが大切になってきます。
たとえば、洗面室と浴室、廊下とトイレなどの段差を無くしたり、それぞれに手すりを設けたり、また、使い勝手がよく安全性の高い水栓金具等を用いるといったことも必要になります。
そのほかに、それぞれの空間の温度差を少なくしたり、万が一の場合に助けることができるように、スペースや開口部には余裕をも立てるなどの配慮が必要となります。
サニタリー機器の傾向
サニタリーをプランニングする上で、サニタリーの設備機器についても知っておく必要があります。
サニタリーの設備機器は、各メーカーからさまざまな商品が提案されています。
価格やデザインなど商品バリエーションも豊富にありますし、ショールームなんかも充実していますので、選びやすいアイテムとも言えます。
最近の浴室、洗面、トイレの設備機器の傾向のひとつとしては、トータルプランニング、トータルコーディネートを挙げることができますので、システムバス、洗面化粧台、トイレといった設備機器それぞれのデザイン性もアップしてきています。
また、サニタリー空間をトータルコーディネートできるような商品やシリーズが提案されており、キッチンとコーディネートできる商品もあります。
全体的なデザイン傾向ですが、全てにおいて共通していますが、比較的シンプルなもので、すっきりとした商品が多くあります。
また、記能面においては、それぞれ掃除がしやすくお手入れが楽な工夫を施されているものも特徴と言えます。
まとめ
サニタリーは、プランニングする時、どのような暮らし方をしたいのかをイメージしながら、プランニングや設備機器選びを進めることが大切なのですが、かといってサニタリー部分だけでなく、住まい全体の間取りを進めると同時に検討することが重要なのです。
そのためにも、ショールームを活用したり、住宅展示場などを上手く利用して、自分だけのオリジナルなサニタリープランを考えてみて下さい。