サニタリーの考え方(2)
サニタリーという言葉を耳にしたことがあると思います。
このサニタリーですが、「衛生」「衛生上の」といった意味です。
そういった意味のサニタリーですが、建築業界では、浴室、洗面所、トイレなどの衛生スペースを指します。
そこで今回は、洗面室とユーティリティの関係について考えてみましょう。
洗面室とユーティリティの関係
一般的に多くみられるのが、洗面脱衣室にユーティリティ機能を持たせたプランですが、このプランを考える場合、洗面化粧台と洗濯機、乾燥機を使いやすさと、動きやすさを意識しながらプランニングしなければいけません。
また、洗面脱衣室とする場合は、浴室への動線を考える必要があります。
洗面脱衣室には、洗剤やタオル、洗濯ネット、ハンガーなど洗面や洗濯に必要なグッズの収納場所や洗剤、柔軟剤、歯磨きグッズなどの買い置きをストックできるスペースの確保も必要となってきます。
そこで、洗濯機の上部に余裕がある場合、吊戸棚や棚を設けることも視野に入れることが大切です。
ユーティリティ機能の考え方
梅雨の時期はもちろんですが、花粉や黄砂の季節など、アレルギーの関係もあって外に干したくないという方が多くいます。
そこでみんなが行うのが室内干しで、雨の日の外出や花粉症の方には重宝します。
室内に洗濯物を干す場合、ユーティリティに物干しバーを掛けられるようなフックを設置したり、天井に組み込まれるタイプなどを利用することを検討する必要があります。
また、室内に洗濯物を干すと、室内に湿気が溜まりやすくなります。
そこで換気や採光などに配慮する必要があり、トップライトやサイドライトなどの窓を設ける、あるいは調湿性能を持った内装材を選ぶなどの工夫が重要となってきます。
ユーティリティをプランニングする時ですが、作業カウンターを設ければ、洗濯物を畳んだり、アイロン掛けや裁縫などすることもでき、多用途に使うことができます。
しかし、手元が暗くならないように照明プランを考え、コンセントも設けるようにしておくことも大切です。
また、空間に余裕がある場合、スロップシンクがあれば、子どもの運動靴や汚れものを洗うこともでき便利になります。
このようにユーティリティプランを考える時、どこで、なにをするのかを明確にして、プランニングするようにすれば、快適に家事をこなすことができるようになると思います。
ユーティリティのプランニング
ユーティリティを考えていく上で、どのような作業を行うのか、また、その作業を行うのにどれくらいのスペースが必要かを考えていく必要があります。
たとえば、奥さんの趣味が家庭菜園、旦那さんが魚釣りだった場合、家庭菜園で出来た野菜や釣ってきた魚を使って料理をするとき、ユーティリティに泥のついた野菜を洗う、釣ってきた魚をさばくといったことのできるシンクを設けたり、貯蔵しておく棚を付けるといったプランを考えることができます。
キッチンで作業しながら洗濯を行うのであれば、キッチンにユーティリティを組み込むのか、キッチンと洗濯コーナーを隣接させ、洗濯コーナーを主としたユーティリティにするのかといった具合に、どちらを主とするのかも考える必要があります。
実際の住まいを見ると、洗濯機を設置した洗面脱衣室にユーティリティ機能を持たせたプランが主流となっています。
この場合、洗濯作業がスムーズに行えるように、洗剤などの収納はもちろんですが、室内干しが可能なバーや洗濯物を畳むことのできるスペースがあれば便利に使うことができます。
ユーティリティをプランニングする上で大切なことは、家事がスムーズに効率的に行えるかどうかです。
そのため、動線のプランも大きな要素となってくるのです。
たとえば、ユーティリティをキッチンに隣接させる、あるいは洗面室に組み込むといった時でも、動きやすい配置にすることが基本となります。
また、ユーティリティをプランニングするにあたり、勝手口など他のスペースのつながりにも注意が必要となります。
また、このユーティリティと似たような機能を持つスペースに、ミセスコーナート呼ばれるものがあります。
このコーナーですが、キッチンの脇にカウンターを設け、家計簿をつけたりレシピを確認することができるというものです。
さらに、領収書や料理本、宅配やお取り寄せ資料、学校などの給食のメニューなどの収納スペースを充実させることにより情報管理のユーティリティ機能を持つスペースとしても活用することができます。
また、インターネットなどのパソコンなどを使える環境にすることにより、メールのチェックやレシピ、料理などをSNSにアップすることができるスペースにもなり、活用の幅が広がります。
まとめ
洗面室とユーティリティの関係ですが、一般によく見られるのが、洗面脱衣室にユーティリティ機能を持たせたプランで、洗面化粧台と洗濯機、乾燥機などを設置する場合、動きやすさに重点をおく必要があります。
また、ユーティリティで室内干し機能を持たせた場合は、湿気が溜まりやすくなり、換気に配慮が必要となりますので、トップライトやハイサイドライトなどの窓を設けたり、調湿性能を持った内装材を選ぶなどの工夫も必要です。
ユーティリティを考える場合、そのスペースでどのような作業をするのか、その作業を行うのにどれくらいのスペースが必要となるのか、どの空間に隣接させるのかで、機能が変わってきますので、家族構成やライフスタイルを考えながらプランニングすることが、重要となってきます。