サニタリーの考え方(3)
サニタリーの内で今回は、洗面室を考えていきます。
洗面室あるいは洗面脱衣室というのは、どうしても限られた空間となってしまいます。
しかし、限られた空間とはいえ、洗面室、洗面脱衣室には、収納するモノが多くある場所であることも事実です。
そこで、洗面室のレイアウトについて、収納スペースも含めて考えていきましょう。
洗面室のレイアウトの考え方
洗面室は、朝起きてただ歯を磨いて顔を洗うだけの空間ではなく、身だしなみを整える、化粧をする、あるいは化粧を整える、また、脱衣場としても使われるなど、様々な用途として用いられる空間です。
そのため、洗面室に設置されることの多い洗面化粧台にも、多くの機能が求められるようになり、メーカーも顧客のニーズに対応して、様々な工夫を施した商品が多くみられるようになってきました。
従来は、洗顔や歯磨きができる程度の簡単な水栓と洗面器、そして鏡を組み合わせたシンプルな洗面台でした。
しかし近年、身だしなみや化粧などがしやすいような機能を充実させた、いわゆる洗面化粧台と呼ばれるものが主流となり、メーカーからも商品が豊富に揃えられるようになってきました。
洗面化粧台の基本ですが、洗面器を取り付けたカウンターを載せた収納キャビネットに、水とお湯を使うことができる湯水混合水栓、鏡、照明などが組み合わさったもので、システムタイプとユニットタイプがあります。
また、カウンターと洗面器が一体化したスクウェアータイプの天板もありますし、造り付けのカウンターに単体の洗面器や水栓を組み合わせたもの、あるいは、家具のようなタイプのものもあります。
新築やリフォームの多くは、システムタイプかユニットタイプの洗面化粧台が主流となっています。
システム・ユニットタイプは多くの場合、ハウスメーカーや工務店などで標準仕様となっており、デザインや価格など豊富に揃っており、選びやすいのです。
収納スペースを考える
洗面室、洗面脱衣室は限られた空間です。
その限られた空間に収納スペースを確保するというのは難しいものです。
そこで、洗面室、洗面脱衣室に収納スペースを設けるのではなく、洗面化粧台に収納機能を持たせるという考え方です。
洗面化粧台に収納するモノですが、洗面道具だけでなく、化粧用品や洗濯、洗剤のストックやタオル、衣類といった多種多様のものを収納することが多くあります。
そこで、家族構成やライフスタイルなどを考えながら、自分の家では、「どのような物」を「どのくらいの量」を収納したいかを事前に把握しておかなければなりませんが、現状だけを把握するのでなく、将来的な変化も予測しておく必要があります。
たとえば、新婚家庭では、子どもが生まれることも予測しておかなければいけませんし、お子様がいるご家庭では、子どもが大きくなるにつれて、整髪剤やシャンプーなど自分専用のモノを使うこともありますし、下着の量も増えてきますので、多少のゆとりを持った計画をする必要があります。
収納部分は使いやすいものを
洗面化粧台の収納部分ですが、従来は扉式が近年では引き出し式のキャビネットが主流となっています。
引き出し式の特徴は、収納している物が分かりやすく、また奥に収納した物の出し入れもしやすいことです。
収納を選ぶ際ですが、洗剤やシャンプー、化粧品や掃除道具などを仕分けできるような、細やかな仕切りのある収納スペースを設けた商品も増えてきていますので、開閉方法や収納方法など自分に合ったものを選ぶのがポイントです。
収納の容量や開閉方式の使い勝手の良さなどは、ショ―ルームや住宅展示場などで、実際に手に触れて、出し入れがしやすいかどうかを確認することが重要で、パンフレットなどで、色やデザインだけで選んでしまうと、実際に触ってみると意外と使い勝手が悪いと感じるものがあります。
キャビネットには、引き出しと開き扉を組み合わせたもの、自由に使うことができるオープンな棚だけを設けたタイプ、デットスペースである蹴込部分を利用したタイプ、上部収納を使いやすくするために、キャビネットに踏み台を兼ねた収納ボックスを設けたタイプ、洗濯機上部のスペースを利用した収納キャビネットなど豊富にあります
よって、収納する物や自分の収納スタイルを思い描くのようにすれば、細やかな仕切りなどが使いこなせないということもありますし、時によっては、オープンなスタイルのものを選んで、自分なりにアレンジするのも良い方法だと言えます。
まとめ
洗面室は、単に歯を磨く、顔を洗うという空間ではなく、服装のチェックや化粧、あるいは脱衣場としてなど、さまざまな用途に用いられる空間で、その空間に設置される設備機器が洗面化粧台です。
洗面化粧台にも多くの種類や色、価格がありますが、洗面スペースで考えなければいけないのが、収納スペースです。
しかし、洗面室、あるいは洗面脱衣場は限られた空間ですので、収納スペースを別に設けるのは難しいですので、洗面化粧台のキャビネット部の収納を利用する方法があります。
そこで、ショールームなどで実際に手を触れることが重要ですし、現在及び今後のことも考えながら、収納する物や自分の収納スタイルを照らし合わせて選ぶことが大切です。