住宅を購入するときお得な優遇制度
念願のマイホームを住宅ローンを利用して購入すれば、住宅ローン残高の最大1%に相当する所得税が10年間戻ってくる住宅ローン控除の制度は、多くの人が利用し恩恵に預かっていると思います。
でも住宅を購入して優遇される制度はこれだけではありません。
そこで、どんな制度があるのか調べていきましょう。
印紙税の軽減措置
戸建て住宅や分譲マンションなど住宅を買うときにはいろいろな税金がかかってきますが、それぞれの税金に対して優遇措置があります。
まず、住居購入の契約をするときに契約書を作成し、契約書に印紙を貼るのが印紙税といわれるもので、印紙税は、住宅価格(契約金額)に応じて印紙の金額が決められていますが、印紙税額の軽減を受けることができるのです。
印紙税軽減の対象となるのが、新築住宅や中古住宅を買うときの「売買契約書(不動産譲渡契約書)」と、注文住宅を建てるときの「建設工事請負契約書」です。
たとえば、契約金額が1,000万円超5,000万円以下の場合、本来の印紙税額は2万円ですが、2020年3月31日までは1万円に軽減されます。
しかし、住宅ローンを利用するときにローン契約書(金銭消費貸借契約書)を交わしますが、この契約に関しては軽減措置はありません。
登録免許税の軽減措置
土地や住宅を取得したときに登録手続きを行います。
その登録手続きを登記といい、登記は、法務局にある登記簿に土地や建物の所有権の保存や移転を記録したり、金融機関による抵当権の設定を記録するなどして公示するための帳簿です。
この登記をするに当たり、登録免許税という税金を納めなければいけませんが、この税金に対しても軽減措置があります。
税額を計算するときには土地や建物の評価額(固定資産税評価額)や住宅ローンの借入金に税率をかけます。
この税率が軽減措置により引き下げられるのです。
しかし、軽減措置を受けるには、床面積が50㎡以上などの一定の要件を充たす必要があります。
不動産取得税の軽減措置
土地や住宅などの不動産を購入した場合には、不動産取得税という税金がかかります。
この税金は不動産を取得したときにかかる税金のため、不動産を取得した直後ではなく、たとえば住居の場合、入居してからしばらくすると、都道府県から納税通知書が送られてきて支払うことになります。
しかし、この不動産取得税にも軽減措置があり、軽減措置が適用されると税額が免除となるケースが少なくありませんが、こちらも床面積50㎡以上などの条件を満たす必要があり、さらに原則として取得から条例で定める期間内に都道府県税事務所に申告をする必要があります。
都道府県によって異なりますが、期間内に申告手続きを忘れてしまった場合ですが、納税通知書が届いてから申告しても軽減されるケースも少なからずあるようですが、忘れずに手続きをするのが賢明だと言えます。
固定資産税・都市計画税の軽減措置
土地や建物を購入し所有している期間中は固定資産税と都市計画税がかかります。
それぞれの税額は、土地や建物の評価額に税率をかけて計算しますが、住宅が建っている土地の評価額は固定資産税が6分の1に、都市計画税が3分の1にそれぞれ軽減されます。
この軽減措置ですが、住宅の条件などありませんが、所有した年の1月1日時点で家屋が建っていれば軽減の対象となりますので、土地を購入して建物を後に建てる場合は注意が必要となります。
固定資産税については、建物の居住用部分が120㎡までの家屋について税額が2分の1になる軽減措置もありますが、この軽減措置の場合、マンションは新築から5年間、一戸建ては新築から3年間の期間限定となっており、軽減を受けるためには床面積50㎡以上280㎡以下の条件を満たす必要があります。
ただし、マンションの場合、床面積には共用部分を専有部分で按分(あんぶん)した面積を含みます。
固定資産税の軽減措置ですが、土地(宅地以外)を住宅用地に転換するなどした場合、固定資産税の住宅用地等の申告などの手続きが必要になることがあります。
固定資産税が軽減されている場合、毎年送られてくる納税通知書に軽減後の税額が記載されてきますし、軽減されていない場合は、住宅の所在地の市町村の税務担当部署に問い合わせを行い、手続きが必要な場合には手続きをするようにしてください。
低炭素住宅の優遇措置
低炭素住宅(低炭素建築物)とは、住んでいるときに発生する二酸化炭素を少なくする措置が講じられている住宅のことです。
具体的には以下の基準を満たすことにより、所管行政庁の認定を受けることができます。
・省エネルギー基準を超える省エネルギー性能を持つこと、かつ低炭素化に資する措置を講じていること。
・都市の低炭素化の促進に関する基本的な方針に照らし合わせて適切であること。
・資金計画が適切なものであること。
低炭素住宅の認定を受けると、登記の際の登録免許税の税率が軽減されますし、住宅ローン控除の対象となる年末ローン残高の限度額が5000万円に引き上げられ、最大控除額が500万円にアップします。
また、低炭素化住宅に認定されると「フラット35」Sの金利Aプランが適用され、「フラット35」の当初10年間の金利が0.25%に引き下げられます。
まとめ
住宅ローンを利用して購入した場合に利用できる住宅ローン控除は皆さんがよく知っている優遇措置だと思います。
ところで住宅を取得した時には、色々な税金がかかってくることがお分かりいただけたと思いますが、その税金にも軽減措置があり利用しない手は無いと思います。
ここで紹介した優遇措置は全国共通ですが、これ以外にも自治体独自で行っている優遇制度というものがあります。
よくあるのが、住宅を省エネルギー化するための設備を設置する費用を補助する制度です。
対象になる設備は、太陽光発電システムや太陽熱利用システム、家庭用燃料電池(エネファーム)、家庭用ヒートポンプ給湯器(エコキュート)、家庭用リチウムイオン蓄電池システムなどです。
また、家を丸ごと省エネ化するネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)を対象とするケースもありますので、ここで紹介した以外のモノは住宅を購入する地域の自治体にお問合せ下さい。