地震に強い住まい

住まいは大切な家族と末永く暮らす場所です。

住まいを建てるなら、万が一の自然の災害にも耐えられる丈夫な住まいを建てたいと思うものです。

今年は、阪神淡路大震災から25年目の節目の年でもあります。

そこで、地震に強い家づくりをするためには、どのようなポイントを押さえておけばよいのか、また、よく聞くのが「耐震等級」という言葉です。

この耐震等級とは、どのような意味なのかも調べていきましょう。

 

地震に強い戸建て住宅

住宅を建てるときには、地震に対する備えが絶対に欠かすことのできないものです。

日本では昔から大地震が発生し、それにより建物に大きな被害が生じてきました。

 

しかし、それによって耐震技術や耐震規定が発達し、より頑丈な建物が建てられるようになったのです。

 

また、地震によって、「建築基準法」および、関連する諸規定・基準に耐震設計の基本的な方法が改訂されてきています。

これに基づいて正しい構造設計を行うことにより、大きな地震に対しても安心・安全な建物をつくることができるのです。

 

地震のときには建物は地面の動きに対して振動し、大きな水平の地震力が建物に生じます。

 

現在の基準法では大地震のとき、住宅のような低層建物では、建物の重さ0.8~1.0倍程度の力が、横向きにかかると考えられます。

 

この水平地震力に対して、安全に耐えられるように建物の骨組みを設計します。

また、地震の揺れは地盤の硬軟によっても異なり、柔らかい地盤では大きくなることを知っておくようにしてください。

 

建築基準法は、1978年宮城県沖地震の後に改正され、1981年に「新耐震設計法」が施行されて、建物の耐震性が大きく向上されました。

 

この施行により、1995年の阪神淡路大震災では、改正以前の建物と以後の建物で被害の差がはっきりと現れ、古い建物の耐震改修をする動きが活発になったのです。

 

その後、皆さんの記憶も新しい、2011年の東日本大震災でも、新しい建物は被害が少なかったのですが、古い建物にはかなりの被害が発生しましたので、中古住宅を購入してリフォームする際には、耐震性能にも注意することが必要です。

 

・壁の効用

地震に強い建物をつくるために、最も有効な手段は耐震壁です。

十分な耐震壁の量をバランスよく配置すれば、大きな地震に安全に耐えることができる住まいを、実現することができます。

 

在来木造の住まいでは、筋違い入りの耐震壁が用いられます。

筋違いには一方向にだけ効く片筋違いと、両方に効くX形のたすき筋違いがあります。

 

また、最近では合板を補強して作った筋違いと同等の耐力をもつ耐震壁も、使われています。

これらの耐震壁を、基準法に定められた分量だけ、梁間と桁行の両方向に入れるのです。

また、瓦屋根の場合は、鉄板葺きより少し多くなります。

 

壁の量は、できるだけ余裕をもって多めに入れるようにします。

また、壁の配置が平面的に偏っていると、地震のときにねじれるように振動するのでよくありませんから、できるだけ対称的に入れるのが望ましいのです。

 

戸建て木造住宅では、建築士や工務店などの担当者とよく相談して、壁の配置と分量をよく検討し、十分な耐震性が保たれている建物を設計してもらうようにします。

 

筋違い壁の接合部は、金物でていねいに補強してもらうようにしましょう。

また、合板壁では耐力を確保するために、補強の仕方や釘打ちの分量などが建築基準法で定められていますので、建築士や工務店などによく確認するようにしてください。

 

ツーバイフォーでは、合板の耐震壁が使われていますが、既製のツーバイフォー住宅は、住宅メーカーによって十分な耐震性をもつように、設計や試験が行われています。

 

軽量鉄骨では、耐震壁の役割をするのは耐震ブレースで、壁の中に斜めの鋼材がX形に組み込まれているのです。

鉄骨の柱や梁も、地震力に抵抗する大切な要素となっています。

 

壁式RCでは、RC壁の分量が規定を満たしており、バランスよく入れてあることが大切で、壁式RCは地震に強いと言われています。

 

戸建て住宅の場合は、設計する建築士に、建売住宅の場合は、その会社の担当者に、建物の耐震安全性についての考え方を、十分に説明してもらうようにしましょう。

 

・地盤に注意する

住まいを建てる場合ですが、工事に先立って地盤調査を行い、敷地の地盤の状態を確認することが必要となります。

 

盛り土の宅地の場合ですが、擁壁(ようへき)を地震に対して、十分に安全に耐えられるものとし、また盛り土を締め固める等の対策を行う必要があります。

また、液状化が起こりやすい砂地盤では、地盤改良を行い、基礎は一体的な鉄筋コンクリート布基礎する等の対策が必要となるので、設計担当者にどのような対策を講じているか聞くようにしてください。

 

1978年宮城県沖地震では、造成宅地に大きな被害が生じ、2011年東日本大震災でも盛り土の破壊や液状化により、広い地域で宅地の被害が生じたのです。

地盤の安全性には十分に注意し、必要な対策をしてもらうように、よく打ち合わせを行うことが大切です。

 

・耐震等級とは

建築基準法で定められている耐震設計の基準は最低基準ですので、大地震のときに東海などによる被害や人身の損害が、ないようにするのが目標となっています。

 

地震による損害を少なくして財産価値を守るには、基準法よりさらに上の耐震性を目指す必要があるのです。

 

2000年に「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(品確法)ができて、住宅の性能評価(任意制度)と瑕疵担保責任(義務制度)が定められました。

 

耐震性については耐震等級1から3まであり、等級1は建築基準法と同じ、等級2は建築基準法の1.25倍、等級3は1.5倍の耐力が求められます。

このために、それぞれの場合に必要な壁量や諸条件が定められています。

 

いつかくる地震のときに、わが家の損害をできるだけ少なくするためには、より高い耐震性能をもつ住宅を目指すことが必要なのです。

 

・室内の安全を確保して

大地震のときには、部屋の中の本棚や食器棚が倒れて中のものが飛び出し、テレビやAV機器など重いものが動いて落下するなど、大変危険な状況になることが多くあります。

 

いざ地震というときに、頑丈なテーブルの下や安全な部屋のコーナーなど、とっさに身を隠す場所を良く考えておくことが大切です。

万一のときに備えて、普段から家具の配置や固定などに気を配り、避難の仕方などを家族で折に触れて、考えたり話し合っておくことが大切です。

 

まとめ

住宅を建てる場合、地震に対する備えは絶対に外すことができないものです。

とくに、日本は地震大国と言われるほど、昔から大地震が発生しています。

まだ、記憶に新しい東日本大震災では、多くの家屋が倒壊し被害が生じました。

 

日本では、大きな地震が発生するごとに、耐震技術や耐震規定が改正されてきました。

これにより、今では「建築基準法」および関連する諸規定・基準に耐震設計の基本的な方法が定められており、これに基づいて正しい構造設計を行うことにより、大きな地震に対しても安心・安全な建物をつくることができるのです。

 

しかし、これには建築士や工務店などの設計担当者と、綿密な打ち合わせを行うことが必要不可欠となりますので、根気よく打ち合わせを行うことが大切です。

 

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